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股関節専門 増原クリニック ブログ

靴選びのポイント

靴の適切なサイズと正しい履き方について


人間が歩くときに地面に着いているのは、「足」です。

その足に合った「靴」を履かないと普段の姿勢や歩き方、また股関節にも影響することがあります。

そこで、自分の足に合う靴の選び方や履き方について、今ご紹介させていただきます。


靴のサイズ選択


まず靴のサイズについてです。

自分の足に合った靴のサイズより少し大きめの靴を選ばれている方が多いです。

「靴の履きやすさ」を重視されているためでしょう。

履きやすさとして、「歩きやすい」、「脱ぎ履きがしやすい」ということを重視すると、
どうしても靴のサイズが大きめになってしまい、フィットしないため、歩き方に歪みが生じる原因になります。


適切な靴のサイズを知るためには、まず自分の「足のサイズ」を知ることが必要です。

簡単におこなえる足の計測方法をご紹介します。

座った状態で計測します。

足の大きさ


まず足の大きさです。

A4用紙を用意し、かかとの部分を用紙の端に合わせる。

用紙の端に第2 指(親指の横)を合わせる。

第2 指の長いギリシャタイプではそのまま紙に印を付け足の長さを計測する。
※親指の長いエジプトタイプでは親指の先から用紙までの垂線を引き交点までの距離を計測する

ギリシャタイプ

エジプトタイプ

 

次に足の幅です。

A4用紙を用意し足を置く。

足の親指と小指の付け根にある骨の出っ張り部分に印をつけ、その間の距離を計測する。

足の幅



計測したものが試着する靴のサイズの目安になります。

ただし、靴のサイズはメーカーによっても異なりますし、同一メーカーでも使用される素材や構造によって履き心地が異なります。


まず始めに、計測した「足のサイズ」の結果からプラス0.5cm~1.0cmの靴を試してみます。

履いた後に立ったり座ったり、歩くことをおこない、フィット感を確認する。

最後に靴の上からつま先を押して人差し指が1本入るかを確認する。


具体例を挙げます。

計測した足のサイズが24.0cmだったとします。

計測したサイズから0.5cmもしくは1.0cm程度大きい靴を履きます。

だいたい靴の上からつま先を押して人差し指が1本入るぐらいの余裕があればOKです。


試着した時に足指がある程度自由に動くかどうかを確認することも良いでしょう。



正しい靴の履き方

次に靴の履き方です。

靴の機能を適切に発揮させるためには、靴を正しく履くことが重要です。

靴の履き口(特に親指側)を十分に拡げ、足が通過するスペースを確保します。
※あらかじめ拡げておいても結構です。

靴の履き方


かかとを靴の中に入れた後、かかとを床に打ちつけ(かかとをトントンする)、カウンター部分にかかとを十分接触させる。

※カウンターとは、かかと部分に入っている芯材のことです。

座ってトントン

立ってトントン
 

その状態を保ったまま絞め具で足の甲を固定する。

※マジックテープ、ファスナーやジッパーならば立った姿勢で膝を曲げて調節することもできますし、
靴ひもならばゴムタイプの靴ひもを使ってみるのも良いと思います。


また、靴のサイズを選ぶ時もこの履き方が重要になります。

つま先側をトントンして靴を履いてしまうと、足が前滑りした状態となり、
カウンターとかかとの間に隙間ができ、つま先と靴が当たってしまいます。

足が前滑りした状態で靴を履いてしまうと靴のサイズが小さく感じてしまい、
更に大きい靴を履いても、同じつま先トントンの履き方ではつま先の接触は解消されません。

前滑りした状態では、足指のトラブルや歩く時に足全体に余計な力が入る原因となるので注意してください。

かかと側を基点とした履き方では、つま先側にゆとりを持たせることが可能になります。


つま先から1cm程度、だいたい靴の上から押して人差し指が1本入るぐらいのゆとりが理想です。

靴のサイズを選ぶ時は「正しい履き方」をすることが重要です。

履き方に注意するだけで、かかとがしっかり靴に収まるようになり歩きやすくなったという声もいただきます。

股関節を守りつつ快適に歩くためには、ご自分の足に合った靴を選ぶことが大切です。



今回は、自分の足に合う靴の選び方や履き方についてご紹介させていただきました。

これから靴を選ぶ時の参考にしてみてください。


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筋肉痛の原因は?


筋肉痛


筋肉痛の原因は?

誰もが経験したことがある「筋肉痛」

ひさしぶりに運動すると2~3日経ってから筋肉に痛みが出てくるあれです。


実は、そのいわゆる「筋肉痛」の原因は未だに分かっておりません。


乳酸説、筋肉損傷説、炎症説、結合組織損傷説、筋痙攣説、筋痛覚過敏説などなど
色んな説が挙がっており、科学的に「原因はこれだ」と説明できる資料が揃っていません。

「歳をとると筋肉痛が遅れて出やすくなる」と言う方は多いですが、
これもまた科学的には証明できておりません。



いわゆる「筋肉痛」の医学的な呼称としては「遅発性筋痛」と言います。

高負荷なトレーニング後すぐに痛みが生じることはなく、
24時間後より徐々に痛みが出現し、
48~72時間後に痛みのピークを迎えるとされています。

筋肉痛発生時には炎症が起こっていることは確認されています。

また筋肉の線維には痛みを感じる神経がありません。
筋肉を包んでいる筋膜には痛みを感じる神経があります。

「肉離れ」というのは、この筋膜が傷んだ状態であり、すぐに痛みが生じます。

痛みを感じない筋肉の線維の微細な損傷により、
それを修復するための炎症症状が後から遅れて2~3日かかりピークを迎えるため、
痛みが遅れて生じるというのが現在の有力な原因説となっています。


マッサージ

その「筋肉痛」の治し方は多数の研究論文があり、有効な方法が明らかになっております。

2018年のフランスのDupuyらの研究報告では、
いわゆる「筋肉痛」に対する様々な治療方法による効果をまとめています。

・自然経過
・ストレッチング
・マッサージ
・マッサージ+ストレッチング
・電気刺激
・圧着
・氷水
・交代浴
・高圧療法

この中から最も有効な方法は、「マッサージ」でした。

マッサージにより炎症も改善が早く、筋肉痛の程度も軽減していました。

マッサージの時間は研究報告により様々ですが、
おおよそ10分程度で良いみたいです。


よくやりそうなストレッチは効果はないか、むしろ逆効果であるという報告もあります。ご注意ください。


自分の手でマッサージしても良いですし、
マッサージの道具を使うのも良いですし、
部位によってはこちらのフォームローラーを使用することもお勧めです。

フォームローラー



どこかに眠っている美顔器を使ってマッサージしても良いと思います。

美顔器マッサージ



肩こりや腰痛でもマッサージをしてもらうと気持ち良く、痛みが和らぎます。

筋肉痛に対しても「マッサージ」が一番効果的なのですね。

「手当て」という言葉が表す通りかもしれません。




筋肉痛は筋肉の痛みです。

股関節の痛みとは異なります。

なかなか難しいことですが、股関節の痛みと筋肉の痛みを上手に区別ができると治療効果はグンと上がります。


末期変形性股関節症レントゲン画像

左股関節の軟骨が減ってしまい、「末期の変形性股関節症」と呼ばれる状態になっておられるレントゲン画像です。

このような画像を見てしまうと、悪くなった股関節の部分が痛むと思い込んでしまいます。

もちろん、実際に股関節の部分に痛みが生じている方も大勢おられますが、

それとは反対に、股関節が変形しているにもかかわらず、生活上であまり痛みを感じておられない方も大勢おられます。


よくよくお話を聞いてみると、痛みの場所は股関節ではなくお尻を指さす方が多いです。

股関節の痛みがお尻の部分で感じることはありません。

お尻の痛みは、お尻の筋肉の痛みである場合が多いです。

このお尻の筋肉の痛みは、「いわゆる筋肉痛」と同じように「マッサージ」すると良くなる場合があります。


股関節も痛みはなく、本当の痛みの原因であったお尻の筋肉の痛みも改善して痛みがなくなれば、
すぐに手術することは必要なく、先延ばしすることも可能です。


股関節が痛いのか?

股関節の周りの筋肉が痛いのか?


しっかりと痛みの場所と原因を追究することで、痛みの改善は可能です。


運動したあとの「筋肉痛」は何も治療しなくても普通の生活をしているだけで1週間程度で軽減します。

その「筋肉痛」と「股関節痛」を勘違いして、運動を控えたり、生活での歩く量を控えたりされる方もあります。


なかなか区別することは難しいですが、股関節と上手く付き合っていくためには大切なこととなります。


医師、理学療法士によりアドバイスさせていただきます。

区別がつきにくい方は遠慮なくご質問ください。



参考文献:
Dupuy O, et al. : An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis. Front Physiol. 2018 Apr 26;9:403.

Lewis PB, et al. : Muscle soreness and delayed-onset muscle soreness. Clin Sports Med. 2012 Apr;31(2):255-62.

Guo J, et al. : Massage Alleviates Delayed Onset Muscle Soreness after Strenuous Exercise: A Systematic Review and Meta-Analysis. Front Physiol. 2017 Sep 27;8:747.

Pearcey GE, et al. : Foam rolling for delayed-onset muscle soreness and recovery of dynamic performance measures. J Athl Train. 2015 Jan;50(1):5-13.


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新発見!血糖値と筋肉の関係


糖尿病


今年2月、日本から世界に発信された新発見がありました。

神戸大学の研究チームが
“糖尿病で筋肉が減る”メカニズムを発表したのです。

筋肉が減る…と言われると
なかなか衝撃的です。


股関節と糖尿病は
まったく違う世界の話だと思われるかもしれませんが

いまや糖尿病を患う日本人は1000万人を超える時代。
糖尿病予備軍と称される方も含めると
その倍近い人数になるそうです。

変形性股関節症を患っておられる方や
人工股関節の手術を受けられた方の中にも
糖尿病を併せもっておられる方は少なくありません。


筋肉が減ると、どうなるのでしょう?
みなさんはどんなことを想像されますか?

手足がやせ細る…、歩けない…、寝たきり…など
なんとなくマイナスな発想ですよね。

筋肉は体を動かすエンジンのような役割ですから、
筋肉が減ることは
エンジンのパワーが落ちるようなものです。

つまり、
筋肉が減ると動き回ることが辛くなります。
その結果、不活動に陥り
様々な病気にもかかりやすくなると言われています。

年齢を重ねると
それは如実にあらわれます。

高齢化社会がうたわれる昨今、
避けては通れぬ社会問題なのです。


さらに糖尿病を患う方は
筋肉が減りやすいことが明らかになっています。

今回の発見で
血糖値が上がると、あるタンパクが働いて
筋肉が減少するというメカニズムが明らかになりました。

血糖値が上がると
筋肉にまで悪影響が出るのです。

血糖値の管理は
本当に大切なのですね。

糖尿病を患う方には
耳の痛い話題になってしまいました。


残念ながら、筋肉が減ることに対抗する薬はまだありません。

ですから、筋肉を減らさないためには
筋力トレーニングが王道とされており
トレーニングの方法論も日進月歩です。

股関節のために
コツコツとトレーニングを続けることは
ご自分でできるケアのひとつです。
同時に、血糖値を管理することも
大切だということですね。


今回、筋肉が減る原因になるタンパクがわかったことにより
光明も見えたようです。

それは、薬の開発です。

将来、筋力トレーニングではなく
薬で筋力を回復させる時代がくるのかもしれません。



■参考文献
1) Hyperglycemia induces skeletal muscle atrophy via a WWP1/KLF15 axis. JCI Insight

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第12回 増原クリニック 股関節教室のお知らせ


毎年恒例の増原クリニック「股関節教室」の受付が始まりました。


第12回 股関節教室

「退院後のあなた、大丈夫ですか?」
~クリニック退院後の実態調査~

日時: 2019年10月17日(木) A)10時~11時30分 B)14時~15時30分
     2019年10月20日(日) C)10時~11時30分

会場:天満研修センター (大阪市北区錦町2-21 JR天満駅より徒歩2分)

定員: A)200名 B)200名 C)200名

参加費用:無料

申込方法:増原クリニック1階受付及び電話(06-6358-0200)にて参加申し込みを受付いたしております。

申込時間:月・火・水・金・土曜日 9時~17時


*会場の都合上、ご参加いただける人数に制限がありますので、事前の参加申し込みをお願い致します。

*A)~C)の講演の内容は同じです。
人工股関節の手術後の生活における注意点やアドバイスを中心に講演いたします。


参加資格は問いません。
どなたでも参加OKです。

皆さまお誘い合わせの上ご参加ください。

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足に手が届かないのは股関節が悪いせい?!


前屈

足に手が届かないのはなぜ?

そう言われても、股関節に何の問題もない人はピンとこないかもしれませんね。
「運動不足だから」とか「太り過ぎてお腹が邪魔」とか「歳のせい」などと片づけられそうです。(^_^;)

しかし股関節に痛みなどの問題がある人にはよくある悩みであり、「私も」と頷かれる方も多いのではないでしょうか。


今回は、股関節の動きと足元に手を伸ばす動作についてお話しいたします。


変形性股関節症など、股関節に問題を生じる病気やケガでは、
痛みなどのほか、「動き(可動範囲)の低下」という症状がみられます。

この「動きの低下」を引き起こす原因としては、痛み、筋肉のかたさ、関節の腫れや変形などが考えられ、
ひどくなると日常の動作やからだの他の機能にも影響が出てしまいます。

ただ、股関節の動く範囲は大きく、問題のない時や動作に影響しない段階ではほとんど自覚することがありません。

また、変形性股関節症では長い期間をかけて少しずつ低下するので、
無意識的に動作方法を楽なように変えてしまい、低下していることになかなか気づかない場合もあります。

「あれ?以前はもっと曲がっていたのになぁ。」と気づいた時には結構かたくなっており、
急に体操を始めてかえって股関節を痛(傷)めてしまう人もおられます。

足挙げ



そうなってしまうのも、膝に比べると日常生活において股関節を動かしているという意識があまりないからかもしれません。

例えば、「股関節を曲げる」と言うとどのような動作が浮かびますか?

「太ももを上げる」といったイメージでしょうか。

しかし、日常生活でよく行う「歩く」、「階段を上がる」といった脚を動かす運動では、
股関節は曲がっていそうで、実は直角(90°)までも曲がっていません(下画像)。



歩く


階段



反対に、「足元に手を伸ばす」、「かがむ」といった、上半身を前に倒していく動作は、
案外股関節を動かしている意識はないかもしれませんが、かなり股関節が曲がっています。

下の画像は手で足を触ろうとしている場面です。

かがむ


靴下



こうして客観的に見ると一目瞭然で、
膝が胸につくほど股関節が大きく曲がっていることがわかります。

裏を返せば、足を触るためには股関節の大きな動きが必要であり、
股関節の病気やケガによって少し曲がりにくくなるだけでも、手が足に届きにくくなってしまうのです。


おわかりいただけましたでしょうか。

だから「手が足に届かないのは股関節が悪いせい」と言えるわけです。



では実生活での「足元に手を伸ばす」場面について考えてみましょう。

・靴下やストッキング、下着、ズボンなどをはく
・足の爪を切る
・靴をはく、靴ひもを結ぶ
・足の指、足の甲、足の裏などのケア
(タオルでふく、クリームなどをぬる、湿布をはる、かゆい所をかくなど)
・物を拾う

他にもあるかもしれませんが、これらの動作をどのような方法で行っていますか?

もしここに挙げたような動作が困難だと感じるならば、股関節に問題がある可能性があります。

痛みや歩行能力の低下など他にも症状がないか確認していただき、不安があれば受診されることをお勧めします。

痛みがなければ、ストレッチングやマッサージを日頃から行うことで柔軟性を保つよう心がけましょう。

ただ、すでに痛みがあるという方は動作の回数を減らしたり、
痛みの少ない別の方法に変えたりすることで、まずは痛みの鎮静化に努めましょう。

補助具や便利グッズの活用も良いと思います。


 【股関節を大きく曲げないで足を触る方法の例】

あぐら

後ろ


 【便利グッズの活用】

 ・『楽々はけるんだぁ』 http://masuharacl.blog.fc2.com/blog-entry-163.html
 ・『結ばない靴ひも』  http://masuharacl.blog.fc2.com/blog-entry-207.html



ちなみに、先ほどの前かがみで足を触る場面の画像をもう一度見ていただくとわかりますが、
人が足元に手を伸ばそうとする時には、肩・背中・股関節・膝などからだ全体の動きが必要となります。

他の部分がかたいと余計に股関節に負担をかけてしまうことも考えられるため、
股関節の保護という観点からは、股関節以外の部分の柔軟性を高めることも大切だと思います。
(『からだの柔軟性の影響』 http://masuharacl.blog.fc2.com/blog-entry-238.html


動作の方法は1つとは限りません。

お一人で悩まず、まずはご相談いただき、一緒に考えていきましょう。


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