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股関節専門 増原クリニック ブログ

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人工股関節は20年以上長持ちする


人工股関節は20年以上長持ちする



変形性股関節症と診断され、股関節の変形が進行してしまい、
人工股関節の手術を受けられる方はどんどん増えています。

日本では年間10万件近く人工股関節の手術による治療が行われています。

割合的には日本は少なく、欧米諸国では日本以上に手術件数は多いです。


以前にもこちらのブログ内で人工股関節の耐久性について記しましたが、

先日、アメリカの有名な医学雑誌「Lancet」に、

人工股関節の長期的な成績についての研究報告が掲載されました。


これまでの一般的な知見を覆す衝撃的な内容であったので、ご紹介したいと思います。



人工股関節は長持ちする




イギリスのオックスフォード大学の研究チームの調査です。


650万人の医療情報から、

人工股関節の手術を受けた63158名(男性40%、女性60%)のその後を調査しています。



初めに手術を受けてから、その後何らかの不具合により、

再度手術を受けた方の割合は、

10年で4%

20年で15%

という結果です。




つまり、手術後20年が経過しても85%の方は、

再手術を受ける必要はなく、元気に過ごされている
という結果でした。





この結果を聞いて、みなさんはどう思われるでしょうか?

「意外に長持ちするんだな」と思われた方が多いと思います。



以前は、「人工股関節は10年~15年くらいしか持たない」と言われている時代がありました。

または、「人工股関節の手術は60歳になるまで待ちなさい」と言われた方もあると思います。

今でも古い知識のままで、そのように説明されている先生もおられるようですが、時代は変わってきています。



なぜ、そう説明されていたかと申しますと、

「長持ちする」という証拠が無かったからです。



人工股関節による治療の歴史はまだ浅く、
1960年代から始まっております。

漸く50年を超え、徐々にその安定した治療成績が世に出始めております。


人工股関節の製造上の機械的な試験だけでは、
実際に何年持つかはっきりとは分かりません。


人工股関節の手術を受けられた方が、10年、20年、30年と生活されて初めて、
確かな証拠として結果が表れます。


10年ほど前の情報では、人工股関節がどれだけ長持ちするか、
まだ分からない部分が多かったので、
10年〜15年くらいしか持たないと説明されておりました。



しかし、我々の現場の印象では、
10年や15年で再置換という人工股関節の再手術が必要な方はほとんどなく、
「もっと長持ちするのでは?」という見解を持っていました。


実際に、当院で再手術を余儀なくされた方はほとんどありません。


残念ながら転倒による骨折で再手術を受けられた方はありますが、
人工股関節の耐久性の問題で入れ替えた方は1人もありません。


始めに手術を受けられてから、もう20年経過されておられる方も大勢おられます。

中には、30年を超える方もあります。

それでも、レントゲン画像上、人工股関節の軟骨部分の摩耗や骨の問題もなく元気に過ごされています。



今回のイギリスの研究報告で、

「人工股関節は20年以上長持ちする可能性は十分にある」と、

自信を持つことができました。



イギリスのような欧米の方は、肥満傾向の方が多く、
それに比べると日本人は細身の方が多いので、
もしかすると、今回のイギリスの報告よりももっと良い成績が出る可能性も十分にあります。


さらに、この20年前の手術でも、20年長持ちしているということは、
現代の人工股関節はさらに改良されており、もっと長持ちする可能性もあるわけです。


20年前の人工股関節のインプラントに比べると、材質も形態も改良されています。

手術の技術も改良されています。

その両方の効果により、30年・40年と半永久的に長持ちする期待もできる時代になっています。



末期変形性股関節症と診断され、

「まだ手術を受けるには、年齢的に若い」と、お考えの方、

今回の報告を知った上で、再度熟慮してみてください。



人工股関節の耐久性を理由に手術を先延ばしにする理由は無くなりつつあります。


先の人生をどう考えるかは個人差がありますので、
我々は情報の提供をすることしかできません。


個人の意見は尊重いたしますが、
間違った情報を信じて、あとから後悔することだけはないように、
ご相談には乗らせていただきますので、

いつでも遠慮なくご相談ください。



引用文献:
The effect of patient age at intervention on risk of implant revision after total replacement of the hip or knee: a population-based cohort study.
Lancet. 2017 Apr 8;389(10077):1424-1430
Bayliss LE1, Culliford D2, Monk AP1, Glyn-Jones S1, Prieto-Alhambra D3, Judge A4, Cooper C4, Carr AJ1, Arden NK5, Beard DJ1, Price AJ6.



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手術を勧める理由



末期変形性股関節症


これは変形性股関節症の「末期」と診断された方のレントゲン画像です。

ここまで股関節が変形してしまうと、
股関節の痛みのほかに、
左右の脚の長さの違いが生じて歩きにくさを感じていたり、
股関節の動く範囲が狭くなり靴下が履きにくくなっておられます。


現代の医療では、このように1度変形してしまった股関節を元のキレイな状態に戻すことは不可能です。

股関節の痛みはリハビリで何とか軽減することはできますが、
失った軟骨や変形した骨は正常に戻すことは残念ながらできません。

再生医療に可能性を期待したいところですが、
元の形と同じように再生することは難しいのではないかと思います。


前にもこのブログでご紹介させていただきましたように、
股関節が変形してしまった状態を長引かせると、腰や膝、足先にまで悪い影響が出る危険性があります。

股関節が原因で身体の悪い箇所を2つ、3つと増やしてしまうことになります。


「手術を受ける」
と、決心されて病院に来られてから膝や腰まで悪くなっていることに気付き、

「もっと早く手術を受けておれば良かった」と、後悔される方を今までに何人も見てきました。



「手術が恐い」
という気持ちも分かります。

でも、変形してしまった股関節をそのままにしておくことは、もっと恐いことです。


医療の進歩により、格段に人工股関節の性能や手術技術は良くなっています。


「まだ我慢できる」
「痛くないときと痛いときと波がある」
と、今の身体の状態だけで判断すると、どうしても先延ばしになってしまいます。

股関節の変形を抱えたままの10年後、20年後を想像して、今できることを考えないといけません。


よく手術を迷われている患者さんにお話をします。

一般的に人間は年齢を重ねるとともに体力は低下します。
10年後、20年後の体力が低下してきたときに、股関節が悪い状態では他の人より早く歩けなくなる可能性があります。

また、脳卒中になり良いほうの脚が麻痺した場合どうでしょう?


実際に、そのような方もあります。

無闇に恐がらせるわけではなく、医学的な視点から事実を患者さんに伝える役目が我々にはあります。

あとから後悔される患者さんをたくさん見てきたので、
そのような思いをされる方を1人でも減らすことができるように、
少し酷な話ですが、事実を伝えなければならないと考えています。



自分のことだけではありません。
「家族の介護がある」
「仕事を休めない」
と、自分の身体よりも他を優先される方も多いです。

この場合も今のことだけで判断せず、
先のことを考えて、
手術をするタイミングを決めないといけません。

とことん悪くなってから手術を受けると回復に時間がかかります。
すぐに仕事に復帰できません。
ご両親の介護や孫の世話も体力が必要です。

先延ばしにするほど、想像していたよりも回復が遅くなります。
リハビリを長く続けないといけません。

「もっと早く復帰できると思っていた」という声もよくお聞きします。


「もう少し早く手術を受けておれば、もっと早く復帰できたのに。」
と説明することも多いです。


自分の身体のことや周囲への影響を、今のことだけで判断せず、
将来のことを考えて手術を受けるタイミングかどうか判断しないといけません。



「手術はイヤだ」
と思っているのに、
医師から単刀直入に、
「手術をしたほうが良い」と期待する答えと反対のことを伝えられ、
ショックを受ける方も多いです。

そこに生じる医師と患者さんとのギャップは、何でしょう?


我々医療者は、何百何千という患者さんの経過を見てきています。
よって、その方の将来の身体の状態を予測することができます。

しかし、患者さんは自分のこれまでの経過しか知らず、将来のことを予測することは難しいです。

「今ではなく、この先どうなるか?」
を考えて患者さんのために医師は手術を勧めます。

患者さんは先のことは分からないので、現在の状況で手術の必要性を判断します。

そこに医師と患者さんの手術に対する考え方の違いがあると思います。


近年、人工股関節の手術件数はどんどん増えています。
日本だけで年間10万件を超えるほどです。

それだけ人工股関節の手術の成績が良くなり、その効果が広く認知されるようになったからだと思います。

手術後に別人のように元気になられて、快適に過ごされている患者さんを何百何千と見ているので、
医療者は手術を勧めるわけです。


「手術はしたくない」
「でも、手術をしないと治らない」

その患者さんの葛藤が大変なものであることは十分理解しています。

冷静になって、
目の前のことだけでなく、
自分と周りの将来のことを考えて、
手術を受けるか先延ばしにするか判断するようにしてください。


我々医療者は情報を提供するだけで、強引に決めることはしません。

自分の人生を決めるのは患者さん本人です。

患者さんの意志を尊重します。


現状と将来のことで分からないことがあれば、遠慮なくお聞きください。


今回のお話は、変形性股関節症の中でも「末期」の状態に股関節が変形してしまわれた方に向けてのお話です。

股関節に変形のない方や変形性股関節症でも「前期」や「初期」のような方に手術を勧めることはしません。

手術よりも先に、
股関節の痛みを改善するように、股関節の変形を予防するように、
理学療法士による保存療法を実践してもらいます。

やはり、予防が大切です。


股関節の変形が「末期」の状態になり、
手術を受けないといけない方がお一人でも減ることを切に願っています。



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人工股関節はどのくらい長持ちする?



人工股関節のインプラント



人工股関節はどのくらい長持ちするか?

手術を受けることを考えておられる方は、気になることの1つです。


昔は、
「股関節が痛くても60歳になるまで手術は待ちなさい」と、病院で説明を受けておられる方は多かったです。

でも、今はそれはもう過去のこと。

現在の最新の知見では全く違います。


確かに10年以上前は、「人工股関節は10年〜20年くらいしかもたない」という可能性があり、
平均寿命と再手術のことを考慮して、
末期股関節症であっても60歳くらいになるまで手術をせずに我慢したほうが良いとされていました。


それには人工股関節の歴史がまだ浅いことに理由があります。

人工股関節の手術の歴史は、1960年代から始まります。
最初は欧米で広まり、日本で人工股関節の手術が導入され始めたのは1970年代からです。
日本全国での手術件数は、1980年代で年間1万件、1990年代で2万件程度でした。
現在は年間5万件以上ですので、20年以上前の手術件数はまだまだ少なかったです。

1980年代に人工股関節の手術を受けられた方が2000年代に入り、手術後20年が経ちます。
1970〜80年代に手術を受けられた方の人工股関節の耐久性の結果が2000年代に入り漸く分かってきました。

人工股関節の手術が広まり始めた当初は、海外での手術成績と人工股関節メーカーの調査を基に、耐久性を予測していたに過ぎず、実際に手術後の年数が経ってみないと、ハッキリとしたことは分からない状態でした。

よって、「何十年も長持ちするよ」と豪語することはできず、
「15〜20年くらいかな?」ということしか言えなかったのだと思います。

まだ手術技術が進歩していなかったことも理由の1つです。


2000年代以降、人工股関節は20年以上長持ちするという成果報告が増え始めています。
1980年代以降に手術を受けられ、長生きされておられる貴重な方々の研究報告です。


増原クリニックでも、20年以上前に院長の手術を受けられた方々が定期的に診察にお越しになられております。
80歳代、90歳代の方々も大勢おられますが、
皆さんお元気で、股関節の状態も問題なく、再手術の必要性はない方がほとんどです。

中には手術後30年以上経つ方も元気に過ごしておられます。
毎日外出し活動量も高く、スポーツクラブでの運動を続けておられますが、人工軟骨も擦り減ってはおらず、骨もしっかりされています。

30年以上前の人工股関節でも30年長持ちするのですから、その当時に比べて格段に性能が良くなった現代の人工股関節は、さて何年長持ちするでしょう?
もっと長持ちする可能性もありますね。


現在は人工股関節の性能の向上、手術技術の向上により、
その耐久性は半永久的に長持ちすると言えるような時代になってきています。


また、もし人工股関節が傷んでしまって入れ替えの再手術をする場合でも、
昔のように長期間入院してリハビリに時間がかかるということも無くなっています。

昔は「初めの手術に比べて再手術のほうが時間がかかり大変だ」とされていましたが、現在は変わってきています。

現在は、人工軟骨だけの入れ替えであれば初めの手術より早く回復し退院可能です。
人工股関節の金属部分が傷んで入れ替える場合でも、ご本人の骨の状態にもよりますが、1か月前後で歩いて退院可能になっております。

つまり、現在は人工股関節の耐久性も延び、再手術の問題も解消されております。

そのため30代や40代で人工股関節の手術を受けられる方々も相当数増えてきています。


「60歳まで待たないといけない」ということは、もうありません。

医学・医療は進歩しています。
昔では当たり前のことが、時が経つと古くなり、年々新しく変わっています。


一度の人生ですから、辛いまま何年も待たないといけないなんて非常に酷ですよね。

手術を受けるか否かは本人の意思ですが、
「手術を受けた後の生活」と「手術を受けないでそのままの生活を続けること」、
その両者をしっかり把握した上で、今後のことを選択されることをお勧め致します。


現在の医療がどこまで進歩しているのかは、専門の医師に聞かないと分かりません。
不安なこと、分からないことは何でもお聞きください。


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人工関節のいろいろ



人工股関節インプラント



みなさんの「人工関節」のイメージとはどのようなものでしょう??


人工関節の手術を受けられた方、
今後、手術治療を希望される方、
手術を受けられたお知り合いからお話を聞かれた方、
それぞれに、さまざまな情報が溢れているのではないでしょうか?


今回は「人工関節」をキーワードにしてみます。

新聞やテレビなどでも
股関節や膝関節の人工関節について
取り上げた内容を目にすることがありますね。
“足のコト”でお悩みの方が多い…ということでしょう。


人工関節には、股関節や膝関節の他にも
肩関節や肘関節、足関節などがあります。


人工股関節


人工膝関節

(マイクロポート・オーソペディックス・ジャパン株式会社パンフレットより引用)


人工関節の手術をされる方は
国内で年間およそ20万人以上に上るそうです。


そのなかでも
股関節の人工関節は年間およそ12万人、
膝関節の人工関節は年間8万人以上の方が
手術を受けられています。



さて、股関節についてもう少し話をすすめますと…

“人工股関節”とひとくくりにされますが、
人工股関節の形や性質、手術の方法などで
いくつかのタイプに分かれます。

どうして人工股関節の手術が必要なのでしょう?
骨折?関節症?そのほかの病気?
それぞれの事情によって
人工股関節の手術は選択されるのです。


ではリハビリは??
もちろんリハビリも
それぞれの事情でオーダーメイドされるのが自然ですよね。

健脚自慢で毎週山登りに出かける方が
ある日、山道でつまづき足の骨を骨折…という場合と

10年前から股関節が痛くて、
だんだん歩き方も気になるし、歩ける距離も減ってきた…という場合で

人工股関節の手術を受けた後のリハビリが同じ!
というわけにはいきませんよね。


人工股関節について詳しく勉強されたい方、
人工股関節の手術を終えた後のリハビリについて詳しく知りたい方、
どうぞお気軽にご相談ください。


リハビリテーション科 三浦なみ香



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人工股関節の最新情報

勉強会風景

先日、当クリニックの看護師とリハビリスタッフと2回に分けて、院長より「人工股関節の最新情報」について講義がありました。

院長が30年に渡り人工股関節に関わる中で、インプラントの材質や形状の移り変わりについて、実際のインプラントを用いて説明していただき、あらためて非常に勉強になりました。
人工股関節のインプラントは、工夫し改良され、耐久性も以前に比べ随分長くなっています。
その手術成績の安定性から、現在では年間5万件の人工股関節手術が全国で施行されているとのことでした。

股関節インプラント


インプラント

また、インプラントだけでなく、近年の手術方法の移り変わりや利点と欠点などについても教えていただきました。
スタッフ一同が共通認識を持ち、より良い医療サービスを提供できるよう努めてまいりたいと思います。

医療は日々進歩、日々勉強です。

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