股関節専門 増原クリニック ブログ

転ばないようにご注意ください


股関節手術後の転倒

人工股関節の手術を受けられた患者さまのうち、約3割の方が転倒されています。


これは増原クリニックでの世界初の調査です。


定期検診でも、リハビリのときにも、このブログでも何度も注意をさせていただいております。

「転倒」

超高齢化社会を迎えた日本での社会的な問題となっております。

ご自宅で生活しておられる65歳以上の高齢者の転倒発生率は1年間で20%程度と言われています。

その転倒された方の中でケガをされるのは30~60%であり、そのうち10%の方が骨折されています。

つまり、100人中20人が転び、そのうち2人が身体のどこかを骨折されている計算になります。


この転倒による骨折は、要介護状態を招きやすく、寝たきりになり死に至る原因となることも多くあります。


恐いお話ですが、日本での2016年の統計では、転倒や転落がもとになって亡くられた方は交通事故死より多く、年間8000人を超えています。

病気以外の死因では第一位です。

ちょっとした油断で転んでしまったことが、あとあと命取りになることもあるわけです。

股関節と転倒


変形性股関節症を患われた方は?

高齢者と同じかそれ以上に転倒の危険性が高いことが我々の調査で明らかになっています。


2018年の7月、整形外科に関する医学雑誌の中で非常に権威のある「Journal of Arthroplasty」にて発表させていただきました。

増原クリニックで人工股関節の手術を受けられた患者さま140名のうち、

手術後1年間で1回以上転倒された経験のある方は、30%(3割)でした。


同年代の平均60歳代の健常者の319名の方々にも同様の転倒に関する調査を実施した結果、
1年間での転倒発生率は13.5%でした。

人工股関節を手術された方の転倒の危険性が如何に高いかが分かります。


さらに手術前の1年間でも31.4%の方が転倒されており、手術前後で転倒される割合は変わっていないことも分かりました。

股関節の手術を受け、もちろん股関節の痛みはなくなり、運動能力も手術前よりは改善されています。


それなのに、なぜ?

と思われる方も少なくはないと思います。


この理由に関しては、未だ明らかではありませんが、
1つは、手術後1年以内ではまだ十分な回復には達していないことが考えられます。

股関節の筋力も可動域も歩く能力も、手術前と比較すると良くはなっているのですが、
同年代の健康な方々と比べると、まだまだ負けている方が多いです。

その身体能力の不十分な回復が転倒が多い理由の1つかもしれません。


あともう1つは、意外と股関節を患っていた状態に慣れてしまっていることです。

手術前の変形性股関節症を患っておられた期間が長く、その状態で生活することに慣れてしまっていると、
手術を受けて急に股関節や脚の状態が変わっても着いていけていない(使いこなせていない)ことも考えられます。

今回の調査においても、転倒された方の中の半数の方が、つまずいて転ばれています。

手術により良くはなっているのですが、まだ脚が馴染んでいない中で、行動範囲が広がって、つまずいて転倒してしまう。

そんな方が多いような気がします。


やはり、十分に回復するまでは注意するしかありません。

用心して「ステッキ(杖)」を使用することも転倒予防対策の1つです。



また、転倒予防のためのリハビリの継続も大切です。

注意しなくても転ばない体づくりをしてしまえば問題ありません。


何がまだ足りていないか理学療法士がチェックをします。


痛みがなくなったからOK!

ではなく、その先の転倒予防まで考えてリハビリを続けることが大切だと考えます。


今回の調査には、非常に多くの方々にご協力いただきました。

この場をお借りして御礼申し上げます。


皆様のおかげで、非常に高名な医学雑誌に論文を掲載することができ、
本当に有難うございました。


一人でも多くの方の転倒予防に繋がれば幸甚に存じます。



参考:Ikutomo H; Incidence and Circumstances of Falls in Women Before and After Total Hip Arthroplasty: A Prospective Cohort Study. J Arthroplasty. 2018 Jul; 33 (7): 2268-2272.


ちなみに以下のURLから論文の全文が期間限定で(2018年7月末まで)ダウンロードが可能です。
ご興味のある方はご一読ください。

宜しくお願い致します。

https://authors.elsevier.com/a/1XDcg38vD2qIoN




スポンサーサイト

PageTop

人工股関節の手術後1か月で仕事に復帰できますか?


「手術して1か月で仕事に行けるようになりますか?」

よく聞かれます。


近年は、男女や年齢を問わずお仕事をされている方が多く、
「手術」により入院して時間を空けることが難しい方も多いと思われます。

「手術」さえ受ければ、「パッ」と治ってお仕事に行けるとお考えの方もありますが、
なかなかそう上手くもいきません。

手術後1か月くらいでは、まだ傷の腫れがあり、痛みも出やすい時期です。

漸く歩くことに慣れてこられたくらいで、
家事やお仕事をするにしても1つずつ確認しながらになり、お時間がかかることが多いです。



デスクワーク


手術後すぐに復帰可能かは、
お仕事の内容によります。

デスクワークのみであれば問題ないでしょう。

一方、立ち仕事で歩く量が多いお仕事の方は、注意が必要です。

具体的には、教職、看護師、保育士、介護士など仕事での活動量が高く、また人を相手にするため、
ご自分のペースでお仕事ができない職業の方は早期の復帰により苦労されている印象です。

退院する際は痛みはほとんどなかったのに、退院後すぐに仕事復帰されてから再び痛くなってきたと仰る方もあります。

手術を受けたらすぐに治るというわけではなく、
まだ手術後1か月くらいでは、手術の傷の周りは完全に治癒が終わっていません。
(もちろん、皮膚の表面の傷は治っています。身体の中の筋肉の傷が完全には治ってはいません。)

その時期に過剰な負担をかけることは、創部の治癒を遅らせ、痛みを伴うことになります。

復帰してはダメということはありませんが、注意が必要です。




電車通勤


通勤方法も復帰の可否における重要なポイントです。

車通勤であれば問題ないと思います。

しかし、電車通勤で長時間立っている場合や歩行時間が長い場合、創部への負担が増え痛みが出る可能性があります。

それも覚悟で鎮痛剤を服用しながら仕事復帰される方もありますが、医学的にはあまりお勧めはできません。

リハビリなど術後の治療をしっかりと行ない、回復を待ってからお仕事へ復帰されることが肝要です。



どの病院も人工股関節の手術後の入院期間は短くなっています。
また、入院中しかリハビリを受けることができず、退院後の外来リハビリも通院できない病院が多いです。

手術後の退院の目安は、医学的な病状の安定と自宅での生活の自立です。

退院時に身の回りのことはできますが、
電車に乗って出かけたり、
人のお世話をしたり、
毎日何千歩も歩くことができるかどうか、
不安があります。

手術後早く(1~2週間)退院できたからといっても、すぐにお仕事に復帰できるとは限りません。


階段




当院では、リハビリの目標を仕事復帰や趣味・余暇活動への参加など「生活の質(Quality of Life: QOL)」に置いています。

手術後のまず最初の目標は、元の生活に早く戻ることでしょう。

そのためには「リハビリ」です。

適切なリハビリを、
集中的に、かつ、継続的に実施することで、
早く回復することができ、
早く元の生活に戻ることができます。

さらにリハビリを入院中にしっかりと受けておれば、退院後の痛みも出にくいです。

より快適な生活を送ることができます。


第一目標
お仕事や家事活動への復帰

第ニ目標
趣味・余暇活動への復帰・参加

第三目標
同年代と同じ体力へ(健康寿命の延伸)
新たな障がい予防


「家に帰れるようになること」に留まらないことが、
当院のリハビリの特色です。


入院中は、土日関係なく毎日リハビリをします。
1日2回リハビリをします。

これほど入院中にリハビリをする施設は、
世界でも他にはないと思います。

入院期間は4週間と他の病院に比べて長いですが、
回復が遅いためではなく、
手術後の大切な時期に集中的にリハビリを受けてもらう期間を作るためです。

そのほうが手術後に同じ1か月でも回復が早いと考えます。


また、退院後も外来通院によりリハビリを継続し、早期のお仕事への復帰を支援します。


手術後の仕事復帰を早めるために、手術前からリハビリも開始します。


お仕事に穴を開けることは気が引けますが、退職するまで頑張れるか?
不安があります。

そのような方はいつでもご相談ください。

現状を把握することで将来設計の目処が立つでしょう。


股関節に痛みがありながらお仕事に、家事に、子育てに、奮闘されておられる方。

あまり無理をされると、
股関節の状態が悪化する危険性があります。

まずはご自分の身体のことを考えましょう。

身体のことは何でも早め早めの行動が大切です。

後になって後悔しないように、
ふと冷静になってご自分の人生を考えてみてください。


股関節の症状で悩まれておられる方をお一人でも減らすことができるように、
多方面から治療方法や治療時期を考えて、
ご相談に乗らせていただきます。



PageTop

股関節リハビリ目的の入院


リハビリ室1

増原クリニックでは、入院して集中的に股関節のリハビリを受けることもできます。

股関節専門クリニックですので、
入院の対象は股関節疾患をお持ちの方に限らせていただいておりますが、


股関節に痛みがありリハビリを受けて治したいという方、

他院にて股関節の手術を受けたけれども、その後の回復が思わしくない方、

人工股関節の手術後にきれいに歩けるようになりたいという方、

大阪から遠方のため通院によるリハビリが困難な方、

色んな病院や治療院を回ったけれど股関節の痛みが治らないという方、


股関節に問題を抱えておられる方であれば、どなたでもご相談をお受けいたします。


病室の空き状況により、入院期間は数日から1か月程度でも対応いたします。


股関節のリハビリ




過去にもリハビリ目的に入院され、
専門の理学療法士によるリハビリを受けることで、

2年近く股関節の痛みを抱えて外出ができなかった方が、
痛みが改善し、お一人で自由に外出や買い物も行くことができるようになられた方もあります。


人工股関節の手術を受けた病院では、リハビリが十分に受けることができず、
退院後の外来通院によるリハビリフォローもないということで、
増原クリニックへ入院され、集中的にリハビリを実施し、お元気になられた方もおられます。


遠方から通院することが難しく、1週間だけ入院してリハビリを受けることで、
長年の悩みの股関節の痛みが改善された方もおられます。


リハビリと一緒に、栄養士による食事制限を行ない、ダイエットにも挑戦することも可能です。

運動+栄養管理により、体重減少さらに股関節の痛みも改善するというわけです。



増原クリニックでは、入院中は土日関係なく、毎日2回リハビリを実施します。

お一人おひとりの股関節の状態に合わせて、
最適なリハビリプログラムを提供いたします。

外来通院とは異なり、入院してゆっくり時間をかけてリハビリを行なうことで、
ご自分の股関節の状態を把握していただきやすいです。

まず、現状把握。

その後、対処方法を覚えていただき実践することで、股関節の問題の改善に繋がることと思います。



股関節専門クリニックでの入院による集中的なリハビリにご興味がおありの方は、
ご遠慮なく事務受付(06-6358-0200)までご相談ください。


増原クリニックリハビリ室


PageTop

人工股関節手術後のリハビリの必要性


股関節が痛い


股関節の痛みや変形を治してしまう治療方法が「人工股関節置換術」です。

この手術は、今や日本でも毎年約10万件が行われており、画期的な最新の方法というより、よくある標準的な方法となっています。

「股関節の痛みがなかなか治らない」

「股関節が変形していると言われている」

「股関節の問題で長く歩けない」

と、股関節の問題を長年抱えておられる方にとっては救世主のような存在です。


手術の適応は?

股関節に痛みはあっても、股関節がほとんど変形していない方に、この「人工股関節置換術」を行うことはほとんどありません。
手術の適応は、痛みと変形により如何に日常生活に困難感があるかです。

よって、レントゲン画像などの検査所見により股関節の変形が大きくない場合は、まず保存療法としてリハビリを行います。


まずはリハビリ!

そのリハビリが功を奏して、今までの股関節の痛みが改善し、問題がなくなる方も多勢あります。

その一方で、適切なリハビリを指導しても仕事や家庭での役割などで股関節への負担が大きく、変形が悪化してしまわれる方もあります。
中には、股関節の炎症反応が強く出るタイプの方もおられ、なかなか炎症が治まらず股関節の変形が進行してしまわれる方もあります。

股関節の痛みには、まずはリハビリなのですが、残念ながら上手く治らない方も実際にはおられるのが現状です。

そのときは「人工股関節置換術」の出番となるわけです。


「手術が恐い」

と言う方は病院に足を運ぶことも避ける方がおられますが、
そういう方こそ尚更早めに受診していただき、
リハビリにて改善するかどうかお試しいただくことを強くお勧めします。


「手術に対する大きな誤解」

をお持ちの方も多勢おられます。

ネット情報も収集方法や解釈の仕方により印象を大きく変えます。
股関節治療の専門ではない方の情報も正確ではないかもしれません。

やはり、最先端の知識を持った股関節専門の治療者に直接相談されることを勧めます。


「手術しても治らないのでは?」

とお考えの方もおられます。
知人で手術を受けた方があるが、痛みが治らないとか、傾いて歩いておられるということから、そうお考えになられるようです。

これは手術の限界ではありません。

手術後のリハビリが不足していることが原因の場合が多いです。


手術後のリハビリが完治へのカギ

「人工股関節置換術」で治るのは、
「股関節」という「関節」部分です。

股関節の周りの「筋肉」の問題は、
手術だけでは十分に治らない場合が多いです。

長年股関節の問題を抱えることで、
股関節の周りの筋肉にも問題は広がり、
そして深刻化していきます。

筋肉が落ち、また非常に硬くなり柔軟性を失ってしまいます。

これは手術前の時点での状態です。

その状態で、「人工股関節置換術」という手術を受けて、「股関節」を治すことで、
「股関節」の問題は解消されます。

その後、リハビリをしなくても生活を送る中で、少なからず股関節の周りの筋肉の問題もある程度は改善します。

これは自然な回復です。

手術とその後の自然な回復により、
手術前に比べて痛みが改善し、生活しやすくなることは当然です。

「手術前より良くなれば十分」
という方は、それほどリハビリは必要ないでしょう。


どこまで良くなることを望むか?

その目標によりリハビリの必要性と継続する期間が異なってきます。


残念ながら手術後の自然な回復はそれほど大きくはありません。

ただ歩いているだけでは、
どんどん筋肉がつくということはありませんし、
筋肉が完全に柔らかくなるということもありません。

そのため思い描く目標に到達するには、
やはりリハビリが必要です。

股関節のリハビリというより、
主に「股関節の周りの筋肉」のリハビリが必要です。

手術だけでは治らない股関節の周りの筋肉の問題を解消するために、
適切なリハビリを段階的に継続的に行うことが必要です。

アキレス腱のストレッチ


近年の手術技術の進歩により、
手術を受けてから「手術前の状態に戻る」期間が以前より早く(短く)なっています。

そのため入院期間が短くなり、早く退院できる病院が増えています。
手術後1週間も経たないうちに退院する病院もあります。

しかし、「早く退院できる」ことが良いのかどうか?
必然的に手術後の入院でのリハビリを受ける期間(機会)は短くなってしまいます。

手術後短期間で退院する時点では、家の中は歩いて生活が何とかできるくらいです。
その後、自然な回復により外出したり、階段も昇り降りできるようにはなります。

手術を受けるとリハビリをしなくても、
手術前よりは良くなります。

でも、それだけでは同年代の元気な方に比べると、体力的には到底及びません。

手術前の身体の状態は、筋力を測ると同年代と比べて平均60〜70%くらいまで落ちています。

手術を受け、自然に回復して手術後1年間で
おおよそ70〜80%くらいまで筋力は改善します。

そのあとの足りない約20%の筋力をどうするか?

その足りない分で、
早く疲れやすかったり、
階段をスイスイ昇れなかったり、
旅行や趣味・スポーツを楽しめない、
ましてや、よく転んでしまうということになります。

具体的に体力年齢で示すと、
60歳の方の筋力が20%減ると、
10歳上の70歳の方と同じくらいです。

そのまま10年経つと70歳で元気な80歳と同じくらい。
自分が80歳になると90歳の方と同じくらいの筋力になってしまうということです。

「10歳早く歳をとる・・・」
体力年齢で言われると、「ドキッ」とショックを受ける方もおられますが、本当のことです。


リハビリをせずに自然な回復だけでは、
体力的には早く歳をとってしまいます。

どこかでそれを食い止めて、
努力して手術前に落ちてしまった分の筋力を取り戻す必要があります。

それが手術後のリハビリの役目です。


「手術を受けてしばらく経つけれども、痛みがとれない」

と仰る方も手術後の自然な回復だけでは完全に治らない身体をお持ちの方です。

リハビリが必要です。

自然な回復により手術前と同じくらいの「筋肉の硬さ」にまでは改善したのですが、
それ以上は伸び悩んでいます。

まだ柔軟性に富んだ良質な筋肉の状態ではなく、筋肉の異常な硬さが残っています。

筋肉の硬さが残っていると、
痛みが出る場合が多いです。

リハビリによりストレッチや柔軟体操をして、改善を図ります。

これにも時間がかかるので、
適切な方法を学び、ご自分で継続的に行い、
さらに専門家に定期的にチェックを受けることが大切と考えます。

手術後時間が経過していても改善の余地はあります。

「手術の限界」ではありません。

その痛みの原因をしっかり追究することが大切です。

股関節のリハビリ



「人工股関節の手術を受けたけれども、きれいに歩けない」

という方もリハビリの不足が原因です。

繰り返しになりますが、
「人工股関節置換術」は、
股関節の「関節部分」を治す手術。
股関節の周りの「筋肉」は、手術だけでは治らないとお考えください。

手術を受けて退院したら、
「もう大丈夫」
というわけではありません。

「手術」と「リハビリ」はセットであり、
手術後の改善のカギは「リハビリ」にあります。

思い描く目標を達成するためには、
リハビリが必要です。

別の病院で手術を受けて早くに退院し、
その後お一人でどうやってリハビリをすれば良いのか悩んでおられるという方が多いとよく聞きます。

なかなか1人では難しいものです。

人工股関節の手術後の方で、
当院にリハビリだけ受けに来られる方も多勢おられます。

当院にリハビリ目的に入院して、
集中的にリハビリをすることで劇的に改善される方もあります。

手術後のリハビリの不足が不調の原因です。

適切なリハビリを受け、痛みが改善することで、生活がガラリと変わります。

自然な回復を待っても、
なかなか改善を期待できない問題もあります。



身体に問題がないかどうか?

手術した股関節のレントゲンだけでなく、
運動能力や柔軟性などの身体機能のチェックを専門家に受けられることをお勧めします。

当院では、退院後も外来にてリハビリを継続し、
筋力の測定や柔軟性のチェックを理学療法士により実施しています。

定期的なチェックは、自宅でのリハビリの継続の励みにもなっておられます。

長年悩んだ末、
思い切って大きな決断をして、
人工股関節の手術を受けるわけです。

しっかりと元気な身体を取り戻してもらいたいと思っております。

手術を受けたけれども、
痛みがとれない、
きれいに歩けない、
思うように生活ができないという方、
ご遠慮なくご相談ください。

股関節専門のスタッフが対応いたします。


股関節の不調で悩む方をお一人でも減らしたいと願うばかりです。


PageTop

手術した股関節、1人前になるまで・・・


成人式


以前にも、このブログの
人工股関節の手術後のリハビリはいつまで?
の中で紹介しましたが、

手術後の股関節の回復には
皆さまがご想像される以上に奥深いものがあります。

手術を終えた股関節のはたらきは
3、4ヶ月の期間で急激に回復しますが

それだけではなく、
1年以上にわたって
ジワジワと右肩上がりに回復していきます。


人間の股関節は
日常生活のあらゆる場面で機能します。

つまり、手術した股関節のはたらきが
どのくらい回復しているのか

日常生活のなかで
どのくらい股関節を使いこなせているのかということは

あらゆる角度から
検討しなければなりません。

痛さ、歩く姿、まがる角度・・・いろいろありますが
今回ご紹介するのは
“体重をかけること=荷重”
についての報告です。


椅子スクワット


足に体重をのせること、体重をかけることを
“荷重(かじゅう)する”と表現します。

これは、手術の前や手術の後
左右の足に
どんなふうに荷重するかを調べた研究報告です。


158名の患者様を対象に
それぞれ立っている時と椅子から立ち上がる時の
荷重を調べたところ

手術の前、
立っている時は
痛いほうの足に43%、痛くないほうの足に57%の割合で

椅子から立ち上がる時は
痛いほうの足に37%、痛くないほうの足に63%の割合で
荷重していることがわかりました。


仮に、左右の足に均等に荷重できれば
50%ずつの割合になるわけですから

痛いほうの足にはおよそ4割程度しか
体重をかけていないことになります。


手術の前ですから
痛みは当然、
左右の足の長さが違ったり
筋力が弱くなっていたり
股関節が曲がらない、あるいは伸びない、などなど

荷重できない事情は
複雑に絡み合っているのでしょう。


そして手術の後、

立っている時は
1ヶ月を経過した段階で
手術したほうの足に48%、手術していないほうの足に52%の割合で
荷重できるようになりました。

これは、左右ほぼ均等な状態です。

しかしながら
椅子から立ち上がる時は
1年を経過してようやく
手術したほうの足に46%、手術していないほうの足に54%の割合で
荷重できるようになりました。


つまり、
椅子から立ち上がるような動作では
じっと立っている姿勢よりも
手術した足に荷重することは難しい
ということなのです。


“椅子から立ち上がる”なんて動作は
ごくごく日常的でありますが、

手術後1年を経過して
ようやく股関節を十分に使った動作ができるとも
捉えられるのです。


手術を終えた股関節、
単純に立てる、歩ける…だけではなくて

日常生活のなかで
本当に股関節がはたらいているのか?
本当に手術した足を使いこなせているのか?

せっかく手術を受けたなら
1人前の股関節になるまで
とことん追求してみませんか?
専門クリニックがお手伝いをさせて頂きます!

病院


追記
今回ご紹介した内容は、増原クリニックでの研究報告です。


■参考文献
Miura N. et al:
Leg loading during quiet standing and sit-to-stand movement for one year after total hip arthroplasty.
Physiotherapy Theory and Practice. 2018.

PageTop