股関節専門 増原クリニック ブログ

健康なカラダのために


健康なカラダのために



股関節の手術を終えて
歩くことに不安がなくなった!
自信がついてきた!!

明るい表情で
そんな報告をして下さる患者様が
たくさんいらっしゃいます。

股関節の治療に向き合うことをきっかけに
“健康”“運動”などのキーワードが
身近に感じられる方々もいらっしゃるようです。

とても良いことですよね。


私たちの体は、
股関節さえ調子が良ければ良い
というわけではないのが現実です。

健康な体を
いかにして守り続けることができるか…

これは股関節の手術をなさった方々に限って
課せられた課題ではありません。


世間の人々はどのくらい運動しているの?
自分の体力は人並みなの?

そんな疑問や不安、ありませんか?


今回は省庁が公表した調査結果や指針をご紹介してみます。


これは一般成人を対象として
平成25年に調査されたものです。

“体力に自信がありますか?”
という質問に対して
約4割の方が体力に不安があると答えています。
男性より女性のほうが体力に対する不安は大きいようです。


体力の自信の有無


次は“運動不足だと感じますか?”という質問です。
世の中の大人たちの4分の3は
運動不足を感じているようです。


運動不足を感じるか



さらにこんな調査結果もあります。
一般成人を対象として
平成26年に調査されたものです。

『1回30分以上の運動を週2回以上行い、1年以上続けている方』を
“運動習慣のある人”とした場合、
男女ともに60歳以上の方々の3割以上は運動習慣があるようです。

それに対して、20、30、40、50歳代は
やはり子育てや仕事、家事に忙しいのでしょうか
低い数字が出ています。
女性では特に運動習慣のある方が少ないようです。


運動習慣



加えて、歩数です。
1日に6000~7000歩、歩いていると
人並みと言えるようです。


歩数の平均



いかがですか?
なんだ!私だけじゃない!!と安心された方、
私、かなりヤバイ…と落ち込まれた方、
最後に簡単な体力テストをご紹介します。


これは厚生労働省が示した
『健康づくりのための運動指針2006』の中で
紹介されています。

1.持久力テスト
①3分間「ややきつい」と自分が感じる速さで歩き
 その距離を測ります。

②以下の表を参考にしてください。
 表の距離以上の場合は、生活習慣病予防のために目標となる持久力に達しています。


年代別の歩行距離



2.筋力テスト
①椅子の立ち座りを10回行い、かかった時間を測ります。


椅子の立ち座り



②以下の表を参考にしてください。
 表の「普通」または「速い」に該当する場合は、
 生活習慣病予防のために目標となる筋力に達しています。



年代別の時間



自分の体は自分でメンテナンスする
股関節はもちろんのこと、
ご自分の体に適した方法や環境で
取り組みたいものですね。

近隣のスポーツジムや、
地域のサークル活動などを利用するのも
グッドアイデアです。

とは言われても
股関節が痛むので運動のやり方がわからない…
股関節の手術をしたばかりで不安…
と悩まれる方、
お手伝いできることがあるはずです。
お気軽にご相談ください。



【参考資料】
健康づくりのための運動指針 2006 ~生活習慣病予防のために~:厚生労働省 運動所要量・運動指針の策定検討会
平成26年国民健康・栄養調査結果の概要:厚生労働省 健康局健康課栄養指導室栄養調査係
体力・スポーツに関する世論調査(平成25年1月調査):文部科学省


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人工股関節全置換術前後の身体活動量

梅雨入りして2週間・・・、例年ですと7月20日頃に梅雨明け予定だそうです。

まだ後1か月近くも・・・長いですね。

皆さん雨の中の外出は視界が悪く、路面が滑りやすいですから転倒などには十分お気をつけ下さい。

さて今回も前置きが長くなってしまいました、理学療法士の岡村です。


先日Blogで報告させていただいた、国際標準身体活動質問票(IPAQ : International Physical Activity Questionnaire)を使用した身体活動量の調査を『第50回日本理学療法学術大会』にて発表して参りました。


6月5日から7日までの3日間の学会でしたが、私は初日の午後ポスター発表でした。

タイトルは『人工股関節全置換術後の身体活動量の推移』です。

人工股関節全置換術後の身体活動量




当クリニックに人工股関節手術を目的に入院された方の手術前から術後6か月までの身体活動量の推移を調査した研究です。


調査の結果、手術により股関節の機能や痛みは大きく改善しているものの、身体活動量については手術前と術後6か月で変わらっていないということが明らかになりました。

実は、海外の先行研究でも、人工股関節術前術後で身体活動量は変わらないという報告があります(①)。



『股関節が良くなったのに活動量は増えないの?』

なぜでしょう?
普通に考えると、手術によって股関節の痛みも運動機能も改善すれば、自然と歩く量などの身体活動量が増えそうな気がします。


なぜ身体活動量が増えなかったのか?
今回はその因果関係までは調査してはいませんが、1つ考えられる理由があります。


それは、手術前後で就業状況の変化がないことです。
先行研究においても、人工股関節全置換術後の身体活動量には就業状況が影響しているという報告があります(②)。

つまり、お仕事をされている方は活動量が高く、お仕事の有無により活動量が決まり、
手術前にお仕事をされていなかった方が、手術後にお仕事を始められた場合、活動量が上がるということです。

今回の増原クリニックでの調査でも、手術前後の就業率に変化は見られませんでした。
このことが、手術前後で身体活動量に変化がみられなかった要因と考えます。

なかなか手術後半年の期間に新たにお仕事を始めようとされる方は少ないかもしれません。

見方を変えれば、手術前にお仕事をされていた方は皆さん手術をしても早期にお仕事へ復帰されているということですね。
素晴らしいです。

しかし、平均的なお話では、人工股関節全置換術後患者さんは同年代の健常者に比べると身体活動量は低い傾向にあります。
身体活動量が増えなければ筋力の回復が見込めません。

よって、我々理学療法士が術後の定期的な外来リハビリの際に、皆様の身体活動量を詳細にお聞きし、ホームエクササイズや歩行量などを指導させていただいております。

人工股関節の手術後、『今はどのくらいの運動量が良いのかな?』とお悩みの方は、いつでもご相談下さい。

増原クリニック リハビリテーション科
理学療法士 岡村憲一



参考文献:
①Paula Harding D Clin Physio、 Anne E. Holland PhD、Clare Delany PhD、 Rana S. Hinman PhD:Do Activity Levels Increase After Total Hip and knee Arthroplasty?.Clin Orthop Relat Res,2014,472(5):1502–1511

②橋本 久美子、飛永 敬史、宮崎 千枝子、菅野 吉一、安村 健介、大関 覚:人工股関節全置換術患者の身体活動量に関する実態調査.Hip Joint,2008,12(38):177-180

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身体活動量の調査方法

ようやく温かくなり春らしくなってきたと思ったら、そろそろ梅雨の足音が・・・。
この時期は特に体調管理には気をつけたいものです。
適度な運動などを心がけると良いかもしれませんね!

すいません前置きが長くなってしまいました・・・皆様如何お過ごしでしょうか?
2回目の登場になります。理学療法士の岡村です。

今日は先日blogにてご紹介させていただきました『 身体活動量 』についての続きです。
前回は、身体活動量の概要と、変形性股関節症の方の身体活動量について少しお話しさせて頂きました。

では実際に身体活動量をどうやって調査するのか?

その調査する方法は下に示すように色々なものがあります。

活動量の評価方法



これらの方法にはそれぞれ特徴があり、様々な観点(妥当性、再現性、定量性、費用、複雑さ、代表性など・・・)から目的や条件に応じて適切なものを使用することになります。

当クリニックでは、国際標準化身体活動質問票(IPAQ : International Physical Activity Questionnaire)というものを使用して、変形性股関節症患者さんの活動量についてお聞きしております。

IPAQ1

IPAQ2

IPAQ3


このIPAQは身体活動量評価の国際標準化をねらいとした汎用性が高く、日本語版も信頼性と妥当性が確認されており、身体活動量を評価するには優れた質問紙票であるといえます。
活動量計などの機器を使用することに比べ、簡便に調べることができますので、広く使用されております。


活動量を把握することは非常に大切です。

なぜなら、この活動量が股関節の痛みの原因であったり、筋肉痛の原因であったり、また筋力の回復や低下に関係があるからです。  

今回、IPAQを使用した人工股関節手術前後の身体活動量の調査を『第50回日本理学療法学術大会』にて発表予定です。
学会後に発表内容についてこちらでご報告させていただきたいと思います。
お楽しみに。
http://www.japanpt.or.jp/conference/50th/

増原クリニック リハビリテーション科
理学療法士 岡村憲一

引用文献
内藤義彦ほか:身体活動量の評価―身体活動と生活習慣病.日本臨牀 2000 年増刊, 日本臨牀社,大阪,2000,pp,169‐173

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股関節が悪いと歩かないほうが良い?

新年度に入り、雨や寒い日が続いていましたが、ようやく温かくなり春らしくなってきましたね。
皆様如何お過ごしでしょうか?

初めまして!リハビリテーション科の岡村です。

よく患者さんに、「股関節が悪いと、あまり歩かないほうが良いのですか?」と、聞かれます。
答えは、「そんなことはありません。ただし、その時の状態によります。」です。


今日は、人の健康・生活を表す『 身体活動量 』について、少し基本的なところからお話ししたいと思います。

まず、『 身体活動 』とは?
運動指針2006(エクササイズガイド2006)によると、身体活動・運動・生活活動は以下のように説明されています。

『 身体活動 』:安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての営みのこと。

『 運動 』:身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの。
(例):ジムやフィットネスクラブで行うトレーニングやエアロビクス、テニス・サッカー・バスケなどのスポーツ、余暇時間の散歩や活発な趣味など。

『 生活活動 』:身体活動のうち、運動以外のものをいい、職業や家事活動上のものも含む。
(例):買い物・洗濯物を干す・子供と屋外で遊ぶなどの家事、通勤・階段昇降・荷物運搬・農作業・漁業活動などの仕事上の活動など。

これらの関係は、『 身体活動=運動+生活活動 』と、まとめることができます。

人の健康にとって、身体活動量が大切であることは言うまでもありません。
近年、ジムやフィットネスクラブで運動を楽しむ高齢者が増えているように思います。
また、介護予防のための運動・トレーニングを実施する施設も急増しております。


一方、変形性股関節症の方はどうでしょう?
股関節に痛みがあり、どうしても身体活動量が減少してしまう方が多いです。
筋肉が弱ってしまうからと言って、痛みを我慢して運動をされる方も中にはおられますが、要注意です。
闇雲に運動をすると、股関節症の悪化を招くことになります。

股関節に良い運動、股関節に負担のかかる運動があります。
運動の全てが悪いわけではありません。
お一人おひとりの状態に合った最適な運動の指導を専門家に受けることをお勧めします。

また、変形性股関節症の患者さんの中には、あまり歩かないほうが良いと考えておられる方があります。生活活動がすごく狭まり、筋力の低下がどんどん進んでしまいます。
実際に、日頃からたくさん歩いている人のほうが変形性股関節症の進行が早いという報告はありません。
むしろ、適度に歩いたほうが骨にも筋肉にも精神的にも良いと思います。
ただ、その適度な歩行量というのが難しいところです。
これもお一人おひとりの状態により異なってきます。

股関節の痛みが強い時期は、確かに歩行量を制限したほうが良いです。
股関節に痛みがほとんどない方は、歩行量を制限する必要はありません。

その時の状態に合わせた歩行量を管理することが重要と考えます。
これは、人工股関節手術後の患者さんにも同じことが言えます。

生活のすべてにつながる『 歩く 』ということ。
快適な生活が送れるためにも『 身体活動量 』も大事ですね。


参考文献:
健康づくりのための運動指針2006~生活習慣病予防のために~
<エクササイズガイド 2006>:運動所要量・運動指針の策定検討会平成18年7月

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