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股関節専門 増原クリニック ブログ

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世界基準の変形性股関節症の保存療法の進め方


JOSPT


アメリカの有名な医学雑誌において、
「変形性股関節症の股関節の痛みと可動性に関する治療ガイドライン」が発表されました。

これは、2009年にも報告されておりますが、

今回、新しく2017年版として更新されました。


その内容の一部をご紹介いたします。



「股関節の痛みや可動性を改善するためにお勧めする方法」

① 股関節へかかる負担の軽減

日常生活での活動量(歩行量)が多いと股関節への負担が大きくなります。
股関節の痛みがある場合は、無理をせず活動量を制限しましょう。

具体的に生活上、股関節にかかる負担が大きい動作や作業について専門家の指導を受けることも勧められています。

耳が痛いですが、体重の減量も勧められています。
特に体重が増加傾向にある方や肥満の方は減量が有効であるとされています。

運動やトレーニング方法の適切な指導も勧められています。
自己流にて反対に股関節に負担のかかる運動やトレーニングをされている方は多いです。
無闇にすると余計に悪化します。
専門家の指導を受けてください。



股関節のリハビリ


② 徒手療法

徒手療法とは、理学療法士などセラピストが行う手で行う治療です。

筋肉の硬さを柔らかくしたり、血液の流れを改善する効果があります。


特に、軽度~中等度の変形性股関節症の方には有効であると勧められています。

頻度は週に1~3回を6週間~12週間以上実施するのが良いとされています。


複数の論文の情報から集約されておりますので、
頻度には少し幅がありますが、目安にはなりますね。


しかし、週に1~3回を6週間以上継続して治療に通うのは難しい方もおられます。

その時には、セラピストの徒手療法に代わる方法として、

フォームローラーを使った自分でマッサージする方法をお勧めしています。


フォームローラー


お尻の筋肉のローラーマッサージ



以前に、ご紹介していますので詳細はこちらを参照ください。

ブログ:これだけで股関節の痛みは治る?



これなら毎日でも自分でできますし、

週に1回くらい徒手療法を受けることに比べれば効果は高いかもしれません。


変形性股関節症の方はお尻の筋肉が硬くなって痛みが出やすい状態になっている場合が多いです。

そのお尻の筋肉の硬さが股関節への負担を大きくするという論文報告もあります。

お尻の筋肉を中心に徒手療法やフォームローラーを用いて柔らかくすることをお勧めします。


股関節の痛みには、

「股関節の関節部分の炎症による痛み」と、

「股関節の周りの筋肉の痛み」

の大きく分けて2つあります。


筋肉が柔らかくなることで、筋肉の痛みが軽減することが期待できます。


また、筋肉が柔らかくなると、股関節の可動性も改善がみられます。




③ 筋トレは積極的には勧めない

今回の股関節の痛みと可動性の改善のためのガイドラインには、

筋トレを勧める内容は載っておりません。


可動性を改善する場合や著しい筋力低下がある場合は、筋トレを追加すべきであるとはありますが、

誰に対してもではなく、内容を含めて個別に対応することを勧められています。


筋力が低下したことが理由で、股関節に痛みが出ることはほとんどありません。

そのため、筋力トレーニングにより筋肉を太くすることで痛みが軽減することは、あまり期待はできません。

筋力トレーニングにより運動することで筋肉の硬さが改善し、痛みが軽減することはあると思います。

勘違いしてはいけません。


筋肉が落ちたから股関節に痛みが出きたのではなく、

股関節に痛みが出ているから、生活の中でかばうことで、筋肉が落ちてきているのです。

すぐに落ちた筋肉を取り戻すために、筋トレに飛びつくと大抵は失敗します。


股関節の痛みの状態や筋肉の状態により、

個別に最適な治療方法を選ぶ必要があります。


ガイドラインでも、
軽度~中等度の変形性股関節症の方に対して、

股関節の可動性の改善のためには徒手療法に加えて、

ストレッチや筋トレを実施することを勧められています。

頻度は週に1~5回を6週間~12週間以上継続しないと効果は表れないとのことです。


決して筋肉をつけるためではなく、
股関節の可動性の改善のための筋力トレーニングです。

とりあえず「足挙げ運動をしよう」というのは注意が必要です。


足上げ運動


④ 個別的な対応をすべき

上記でも何度もご紹介しましたが、

同じ変形性股関節症といっても、みなが同じではなく、

その治療においては個別的に対応することを勧められています。


テレビや雑誌で紹介されていることが、自分にも当てはまるかどうか吟味が必要です。

病気の知識が乏しい一般の方には判断は難しいところです。


専門家の指導を受けることが勧められています。


その中で特に、股関節機能や歩行能力、バランス能力にまで問題が生じている場合は、
自己流のトレーニングではなく、
専門家の指導を受けるべきであるとされています。


また、必要に応じて杖などの歩行補助具の使用も股関節の痛みの軽減に有効であることが示されています。

杖などを一旦使い始めると、どんどん悪くなると勘違いされておられる方もあります。

股関節が痛いときは、股関節の負担を軽減させることが先決です。

また、痛みが治まれば杖を使用せずに歩くことができるようになります。


オーブ ステッキ


おしゃれなステッキも販売しております。




医療は経験に基づいてなされるものではなく、

数多くの研究論文を参考にし、

根拠に基づいた医療を提供するべきであるとされています。


最新の変形性股関節症の治療のガイドラインでは、
今回ご紹介した内容となっております。


これを基にして、我々はお一人お一人の悩みに丁寧に対応させていただいております。


お困りの方は、気軽にご相談ください。



参考:
Cibulka MT. Hip Pain and Mobility Deficits-Hip Osteoarthritis: Revision 2017.J Orthop Sports Phys Ther. 2017 Jun;47(6):A1-A37



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うれしいこと。


うれしいことがありました。


股関節の痛みに長年悩まされた方々が、
痛みから解放され元気になられるお姿を見ることは、
我々医療者にとって大変うれしいことです。

そのために働いていると言っても過言ではありません。



増原クリニックも9年目に入り、非常に多くの方の治療に関わらさせていただき、
そのお一人ひとりの元気になられた様子をご紹介したいくらいですが、
キリがないので、

今日はお一人の方のうれしいエピソードをご紹介させてください。


進行期の変形性股関節症の方です。

元々先天性股関節脱臼により股関節の形成不全をお持ちでした。

来院されたのは約1年前。


出産後より股関節の痛みが強くなり、我慢しながら子育てと家事を行い、
すでに5年が経過しておられました。

その間、近所の治療院には通われたようですが、改善することはありませんでした。


半年前からさらに痛みが強くなり、夕食の支度も休憩しないとできないほどに。

夜に寝ているときにも何度も股関節の痛みで目が覚めます。

外出は最低限に控え、お子さんと遊びに出かけることも苦痛を感じるようになっておられました。


そこで、お知り合いにお聞きになり、来院されました。


そのときに、股関節の痛みの度合いを聞くと、77点でした。
考えれる最大の痛みを100点、全く痛みのない状態を0点とした場合の点数であり、
80点近くの痛みをお持ちでした。

レントゲン画像でも股関節の変形の進行が確認でき、進行期変形性股関節症と診断されました。


おそらく、出産前までは変形の進行は無かったと思いますが、
出産後に股関節の痛みが強くなり、それを我慢して生活しておられた間に股関節の変形が進行したと予測されます。

やはり、股関節の炎症状態(痛みのある状態)が長く続くと、股関節は変形してしまいます(保存療法で大切なこと)。
(出産自体が問題ではありません)


まず痛みをできるだけ早く改善することが、進行の防止になります。


今回、手術ではなく、リハビリにより治療することを選択しました。


◎ 現状を把握してもらうこと

◎ 将来予測を理解してもらうこと

まず、この2つが大切です。


その上で、股関節の痛みの原因を解説し、

〇 生活上での注意・工夫

〇 股関節の痛みの改善のためのリハビリ方法

を説明させていただきました。



初回のリハビリ後1か月。

夜に寝る時の痛みはなくなり、ゆっくり眠れるようになりました。

生活上で歩いているときの股関節の痛みも軽減し、痛みの点数は50点くらいと。

家事で休憩する回数は減りましたとのことでした。



そのままリハビリを続けていただき、

初回リハビリから3か月後。


「USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に行けました。」と、衝撃的な一言。


歩いているときにはほとんど痛みはなく、歩き始めだけ少し気になる様子。

テーマパークで1日中ご家族で歩き回られたようですが、痛みが強くなることはなかったとのこと。


こちらも非常にうれしくなりました。


歩き方も良くなっておられました。

特に、歩き方の指導は細かくはしませんでしたが、
日々のリハビリの効果により、
以前よりきれいに歩けるようになっておられました。


毎日のように取り組んでいただいたリハビリ内容は、

こちら→これだけで股関節の痛みは治る?

以前にブログでご紹介させていただいたローラーマッサージです。


特に、筋力トレーニングをしたり、歩き方の意識をしたり、治療に何回も通ってきてもらうこともしておりません。


この3か月間にリハビリに来ていただいたのは初回含めて3回だけです。


股関節周りの筋肉の硬さが、股関節の痛みの原因であったので、
ご自宅でローラーマッサージを続けていただきました。

徐々に筋肉の硬さも柔らかくなり、それに合わせて痛みも減りました。



その後もリハビリを自宅で継続していただき、

その間、股関節の痛みは10点前後で、少し痛みが強くなるときもありましたが、

痛みを治す方法をご自分で習得されておられるので、

それほど慌てることなく、安心して生活ができたようでした。



先日、来られた際に再び股関節の痛みの度合いを聞いてみると、

「0点」

と、自信ありげに答えられました。

今では歩いているときに、股関節に痛みは全くなく、気兼ねなく家事も外出もできるようです。


見た目にもきれいに歩いておられ、素人目には分からないくらいです。

初回リハビリ時は、誰もが分かるくらい歪んで歩いておられました。

見違えるほどです。



何よりもお子さんと一緒に遊んだり、運動会に参加したり、

普通の日常がストレスなく送れることがうれしく思います。



適切なリハビリを実施すれば、変形性股関節症でも痛みはなくなる。



私自身も自信を持てました。



また、この先も長く見守らせていただきたいと思います。




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保存療法で大切なこと


保存療法で大切なこと


変形性股関節症の保存療法で大切なことは「痛みを長引かせないこと」です。

股関節に痛みがあれば、もちろん歩くときに辛く、生活に支障が出ます。

「友達と遊びに行けない」

「買い物に行くのが辛い」

「仕事中に痛くて我慢できない」

様々な訴えを耳にします。


この痛みがある股関節で何が起こっているか?
少し細かいことですが解説します。


まず、股関節のどこが痛いか?

股関節の関節部分が痛いか
股関節の周りの筋肉が痛いか

大きく2つに分かれます。

それにより対処方法も異なるので、痛みの場所を特定することは大切です。


しかし、個人では分からない場合が多いので理学療法士に相談しましょう。


股関節の周りの筋肉が痛い場合は、筋肉の使い過ぎによる痛みであることが多いです。

股関節をかばうために、筋肉は頑張ります。
日常的に頑張り続けることで疲労が重なり、筋肉に疲労物質が溜まりだるく感じます。

また、血流が悪くなることで痛みが出やすくなります。
筋肉が非常に硬くなってしまっているような方では、筋肉のゆとりがなく、ピンピンに張っているような状態ですので、筋肉に力を入れただけで痛いという方もおられます。

筋肉は休める、温める、癒やす、柔らかくすることが大切です。

働き過ぎは禁物ですね。


次に、股関節の関節部分が痛い場合は、関節内の炎症が痛みの原因です。

炎症はなぜ起きるか?

それは関節が傷ついたからです。

その理由は様々ですが、
軟骨が傷ついたり、関節唇が傷ついたりして、
その傷を治すために関節に炎症が起こります。

炎症症状というものは人間の身体の傷ついた箇所を修復するときに起こります。

腫れる、熱を持つ、赤くなる、痛みが出る
この4つが炎症の4大症状と言われています。

どこか身体をぶつけて怪我したときにも、こうなりますよね。

股関節は身体の奥のほうにあるので、分かりにくいのですが、
実際に股関節の中では怪我したときと同じようになっています。


「痛み」というのは、

「今、怪我したところを治すために修復作業をするから、あまり負担をかけないようにしておいてね」という身体からのサインなわけです。

その身体からのサインを無視して、
股関節が痛いのに歩き続けたり、運動を続けたり、仕事を続けると、

その修復作業が進まず、ずっと炎症がおさまらないため痛みが続きます。


痛みを抑えるために鎮痛剤を使用し続けることも要注意です。

お仕事や家事などがあり、休めない都合も分かるのですが、
痛みがあるということは負担をまだかけてはいけないということです。

痛み止めで痛みだけは軽減しますが、関節の中の修復作業が進むわけではありません。
反対に、さらに負担が重なり傷口を広げることにもなりかねません。


関節の炎症が痛みだけではなく、「関節の変形を進行させる」という研究報告があります。

関節の中の炎症が続くと、軟骨を減らせてしまう物質が関節の中に増えることが分かっています。


だから、できるだけ早く関節の痛みを取り除き、炎症を抑える必要があるわけです。


一度、失った軟骨が元通りに再生することはありません。

よく貧乏ゆすりで軟骨が増えたという話をしていますが、
例え軟骨が増えても元のきれいな軟骨ではなく、弱い軟骨であり、
また生活の中で負担が増えるとすぐに無くなってしまいます。

だから予防が大切です。


変形性股関節症を予防するために、その進行を抑えるために、

痛みがある場合は、できるだけその痛みを長引かせないことが大切です。


とは言え、痛みの原因は人により様々であり、
とても個人では原因を突き止めることはできません。

やはり、専門家により原因を追究し、対処方法を教えてもらうことをお勧めします。


増原クリニックでも積極的に保存療法を実施しております。

1人でも股関節の痛みで悩む方を少なくするために取り組んでいます。


まだ、痛みはないけど股関節が開きにくい、違和感があるという方も是非お越しください。
股関節がどのような状態にあるか検診を受けることも大切です。


赤ちゃんのときの検診で股関節の状態が良くないことを指摘されたという方、
赤ちゃんのときにしばらくギプスをしていたという方、
子どものときに股関節の手術を受けたことがあるという方、
今は股関節に痛みなく普通に生活できていても、定期的に整形外科医の検診を受けることをお勧めします。


股関節の保存療法で、もう1つ大切なことは「定期検診」です。

一度、良くなったからと言って、そのままにしておくと知らず知らずのうちに股関節に負担がかかっている場合もあります。

定期的に検診を受け、以前と変わりがないか確認しておくことが大切です。

また、合わせて生活上の注意点や保存療法としての運動などの必要性などアドバイスを受けることも大切です。


あとから後悔しないように、気軽にご相談ください。



参考文献:
Felson: Osteoarthritis as a disease of mechanics. Osteoarthritis Cartilage . 2013 January ; 21(1): 10–15.

Sellam, J:The role of synovitis in pathophysiology and clinical symptoms of osteoarthritis. Nat. Rev. Rheumatol.2010 6, 625–635

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これだけで股関節の痛みは治る?

股関節に痛みを抱える方に、
「この股関節の痛みをパッと治す方法はないの?」

「これだけやっておけば治るっていうのを教えてほしい」
と、よく言われます。

股関節の痛みの原因は様々であり、多くの原因が複雑に重なり合っているため、
簡単に治すことは難しいです。

しかし、股関節の痛みを治す方法を簡単に言うとすれば、
「股関節にかかる負担を減らせば、痛みは治ります」ということは言えます。


どうやって股関節にかかる負担を減らすのか?

大切なことは、

「活動量のコントロール」

「股関節に負担のかかる動作や運動を控えること」です。

つまり、まず「生活」の中に、股関節の痛みの原因があります。


次に、身体の状態に目を向けます。

股関節に痛みを抱える方は、
「股関節周りの筋肉が硬い」方が多いです。

以前にもご紹介しました(筋肉の硬さが変形性股関節症を進行させる?)が、
筋肉が硬いと股関節にかかる負担が大きくなります。

この筋肉の硬さを柔らかくすることが、股関節の痛みを治す方法の1つでもあります。

「筋肉を柔らかくする」と言えば、ストレッチのような柔軟体操ですね。

しかし、変形性股関節症の方では、股関節の痛みや骨の変形、関節自体の硬さなどにより、
ストレッチにより十分筋肉を伸ばすことができない場合が多いです。

臼蓋形成不全のみの前期や初期の股関節症の方であればストレッチにより筋肉を伸ばすことはできますが、変形の進んだ進行期や末期の股関節症の方はストレッチはできない場合が多いです。


そこで、最近私たちがオススメしているのが、「ローラーマッサージ」です。

このような小さいポールを使います。

股関節にお勧めの運動 

ストレッチポールの小さいものです。
小さいのでリビングに置いていても邪魔にはなりません。

素材に弾力性があり、適度な硬さで使いやすいです。



欧米では、数年前から「Foam rollar (フォームローラー)」というもので、身体のケアのために用いられていて、
有名スポーツ選手も愛用されているようです。

近年、このローラーの効果を示した研究論文も増えてきています。



使い方は、

座ってローラーマッサージ 


お尻の筋肉を柔らかくする場合は、ポールの上にお尻を乗せ、
前後に動くことで、
硬い筋肉をほぐします。

うどんやお蕎麦のような麺類の生地を棒で伸ばすような感じです。

柔らかくしたい筋肉の部位によって、身体の向きを変えて、ポールでコロコロします。

結構、気持ち良いですよ。

お尻の筋肉のローラーマッサージ 

大殿筋からハムストリングス(太ももの後ろ側の筋肉)のローラーマッサージ


中殿筋のローラーマッサージ

中殿筋(お尻の横の筋肉)のローラーマッサージ

痛くならないように腕と反対の足で体重のかかる量を調整することがコツです。
マッサージする側の足は全体的に力を抜いておいてください。


1日15分間だけ、このポールを用いてローラーマッサージをするだけでも、
お尻の筋肉が柔らかくなり、
他に何もしていないのに長年の悩みの股関節の痛みが無くなったという方もおられます。


ローラーマッサージをする前は、
股関節の痛みが強く、立って家事をすることも大変で、
座って休憩しながらでしか夕飯を作ることができなかった方が、
ローラーマッサージをし始めてから3か月で、
テーマパークにお子さんと行けるくらいに股関節の痛みが減ったという方もあります。


このローラーマッサージと出会うまでは、股関節の痛みを治すには、
「これだけやっておけば大丈夫」というものはないと思っていましたが、
最近はこのローラーマッサージの可能性にすごく期待しています。


ただオススメするだけでなく、
実際にこのローラーマッサージの効果を検証するために研究に取りかかっています。

また、その結果が明らかになりましたらご紹介したいと思います。


このローラーマッサージ用のポールは増原クリニックにて販売しております。


方法は簡単なのですが、
人工股関節の手術後の方はくれぐれも注意が必要です。
股関節を捻る恐れがありますので、
1人で始めずに、
あらかじめ担当の理学療法士に方法の指導を受けてください。
宜しくお願い致します。

また、変形性股関節症の保存療法を選択される方も医療機関と関わらず個人の判断で様子を見続けることは危険を伴います。
痛みが治ることと股関節の変形が治ることとは、別に考えないといけません。
定期的に診療を受けられることをお勧めします。





参考文献:
Correa TA, et al: Contributions of individual muscles to hip joint contact force in normal walking. J Biomech. 2010 May 28;43(8):1618-22.

Scott WC, et al: The effects of self myofascial release using a foam roll or roller massager on joint range of motion, muscle reovery, and performance: a systematic review. The International Journal of Sports Physical Therapy. 2015 November; 10(6): 827-38.

Beardsley C, et al: Effects of self-myofascial release: A systematic review. J Bodyw Mov Ther. 2015 Oct;19(4):747-58.

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変形性股関節症を予防するためのストレッチング


「変形性股関節症にならないようにするために、何か良い方法はないですか?」
と、よく聞かれます。


しかし、残念ながら「これだけやっておけば大丈夫!」という方法はありません。


1人1人が股関節の状態も、生活環境も、お仕事や家庭での役割も異なるので、その方に合わせた治療プログラム・予防プログラムを組み合わせて実践していただくことが最良と考えているからです。


ただ、変形性股関節症の方や、その予備群の方の大半の人に当てはまることがあります。


それは、「筋肉が硬くなる」ということです。



以前、変形性股関節症には筋肉の硬さが関係している可能性があることをご紹介しました。

お尻の筋肉の大殿筋と中殿筋が硬いと歩くときにかかる股関節の負担が大きくなるということが報告されています。

詳しくは、コチラをご覧ください。



これは、我々のこれまでの経験での印象とも合致します。

変形性股関節症で悩まれている方で、股関節の周りの筋肉が柔らかい人はほとんどありません。

特に中殿筋や大殿筋に硬さが見られます。


臼蓋形成不全などの股関節の形態上の問題を補うために、中殿筋や大殿筋が活発に働いているからだと思います。

いっぱい使いすぎると、肩コリと同じでお尻の筋肉にもコリが生じてきます。

そうして、中殿筋や大殿筋のような骨盤と大腿骨にくっついている筋肉が硬くなると、
その間にある股関節に上下から圧縮されるような力が大きくかかるようになり、
股関節へかかる負担が大きくなるのではないかと考えています。


要は、変形性股関節症による股関節の痛みや変形の進行を防止するためには、これらの股関節周りの筋肉を柔らかく保つ必要があります。



では、一体どうやって筋肉を柔らかくすれば良いか?


筋肉を柔らかくする方法は色々ありますが、今回はストレッチング(柔軟体操)についてご紹介します。


まず、自分の股関節周りの筋肉がどれだけ硬いか?

チェックしてみましょう。


ちなみに筋肉の硬さのチェック方法と、その硬さを治すためのストレッチングの方法は同じです。

以下に示す方法で、筋肉の硬さをチェックして、左右差があったり、
「硬いな」、「伸びにくいな」、と感じる方は、筋肉の硬さのチェック方法と同じ方法でストレッチングをしていただければ良いかと思います。

しかし、人それぞれ筋肉の硬さは異なります。
また、実際に股関節の変形による影響で、可動範囲が狭くなっている場合もあります。

自分で確かめても分かりにくい場合は、理学療法士に診てもらうようにしてください。
また、くれぐれも痛みが出るくらいまで無理に動かさないように気をつけてください。


股関節の周りには30もの筋肉があります。
今回は、その中でも重要な中殿筋と大殿筋、そして内転筋について紹介します。


まず、中殿筋と大殿筋。

骨盤から太ももを横から見たときの筋肉の図
大殿筋の図



骨盤から太ももを後ろから見たときの筋肉の図
大殿筋と中殿筋の図


(ネッター解剖学図譜より引用)


この2つの筋肉は、お尻の筋肉です。

1番大きい後ろの筋肉が大殿筋。
中くらいのお尻の外側の筋肉が中殿筋です。

中殿筋は大殿筋の奥にあります。




この2つの筋肉は、まとめてチェックします。


① 休めの姿勢が正しく楽にできるか?

休めの姿勢




小学校の時に習いました、「休めの姿勢」


「気をつけ⇔休め❗️」の休めの姿勢です。

ここで注意するのは、ただ両脚を開いて立つだけではなく、片方の足に体重をかけて立ち、反対の足にはほとんど体重がかからない本当の意味での休めの姿勢です。


1. 片方の足を軸にして立ちます。

2. おへそと軸にした足の親指が一直線上になるように腰を外側へ移動します。

3. 軸にした足にほとんど体重がかかります。

4. 反対の足の踵が浮いていないか確認して、両脚の力を抜きます。

5. 軸にした足の腰の外側からお尻の外側、太ももの外側まで続く横ライン上の筋肉の硬さをチェックします。


休めの姿勢と外側支持帯



その外側の横ラインに痛みやつっぱり感がある場合、筋肉の硬さがある証拠です。

左右同じ姿勢をして、左右差があれば尚更です。

もちろん、どちらも硬くて左右差のない場合もありますが、
その場合、おへそと親指の位置を一直線にする時に努力を要する場合筋肉が硬いと判断してください。


ただ注意が必要です。
股関節の変形や関節靭帯などの問題により、関節自体の動きが硬い場合、筋肉が伸ばされる前に股関節に痛みや硬さを感じます。
その場合は、筋肉の硬さのチェックは難しいので、無理にはしないでください。
整形外科の受診を勧めます。


この休めの姿勢で太ももの外側のラインに硬さを感じる方は、そのまま同じ方法で休めの姿勢をすることで筋肉は伸ばされます。

地味なストレッチングなので長続きしないという方がおられます。


その場合、生活の中に、このストレッチングを入れてしまうと良いです。

例えば、「歯磨きを立ってしている間は休めの姿勢のストレッチングをする」、

「台所で野菜を切っている間は休めの姿勢で立つ」など、ご自分でやりやすい続けやすいタイミングを決めて習慣にしてしまうことが継続できやすいと思います。

試してみてください。




② あぐらの姿勢が正しく楽にできるか?


あぐらストレッチング2


これもまず先に注意ですが、股関節が悪くなると両膝を開いてあぐらの姿勢ができにくくなります。

股関節に痛みや違和感を感じる場合は無理にはしないでください。



1. 座って両膝を曲げて開きます。

2. 足裏は合わせずに足と足を引っ付けます。

3. 身体に近いほうの足と身体の間をこぶし2つ分空けます。

4. 後ろに手を着かずに背筋を伸ばして座ります。

5. 前と後ろの足を入れ替えて左右差をみます





身体と足を引っ付けないのがポイントです。

開排ストレッチングアップ



このあぐらの姿勢ができない人は、相当お尻の筋肉が硬いか、すでに股関節自体に何らかの問題がある人です。
要注意です。


あぐらの姿勢でお尻の筋肉が伸びる感覚がある方は、このあぐらの方法でストレッチングをしましょう。

硬い人は最初は後ろに手を着いたところから始めて、力が抜けて両膝がしっかりと開けてきたら、徐々に身体を起こし、手を着かずに座れるか試していきます。

無理をせず、痛みのない範囲で、リラックスしてお尻の筋肉を伸ばしていってください。


ソファなどで後ろにもたれてするとやりやすいかもしれません。



③ あぐらの姿勢からお辞儀がどこまでできるか?


あぐらストレッチング4


先ほどの②のあぐらの姿勢が楽にできる人のチェック方法です。



1. ②のあぐらの姿勢から、お辞儀をして身体と頭を前に倒して下げていきます。

2. 頭が足よりも向こう側に着くか確かめます。

3. 前と後ろの足を入れ替えて左右差をみます。



基本的に身体よりも遠くにある足のほうのお尻の筋肉のチェックになります。




あぐら全開

普通にお尻の筋肉が柔らかい人は、こんなに頭を前に下げることができます。


頭が足よりも向こう側に着かない人はお尻の筋肉が硬い人です。

頭が足よりも向こう側に着いても、お尻の筋肉につっぱり感(伸張感)がある場合も筋肉の硬さがあります。


筋肉の硬さを感じる方は、あぐら姿勢からゆっくりと息を吐きながら頭を下げていき、ストレッチングをしましょう。



以上、①~③がお尻の筋肉の中殿筋と大殿筋の硬さのチェックとストレッチングの方法です。




硬さに合わせて足や身体の角度を調整して、無理をせずやってみてください。

ストレッチングの大切なところは、できるだけリラックスしてやることです。

痛いところまで無理してやる必要はありません。


ストレッチングの時間の目安は3分です。

最近の研究でストレッチングの効果的な時間が分かってきています。

続けて3分でなくて良いです。

途中で休憩しながらで良いので、筋肉を伸ばしているストレッチングの時間が3分以上となるようにしてみてください。




では、もう1つ内転筋の硬さのチェック方法です。

あぐらの姿勢によく似ています。



内転筋とは、太ももの内側の筋肉です。
この筋肉も変形性股関節症の方では、硬くなってしまう方が多いです。

内転筋の図

(ネッター解剖学図譜より引用)



④ 足裏を合わせて両膝が十分に開くか?



開排ストレッチング




1. 座って後ろに手を着いて両膝を開きます。

2. 両足の足裏を合わせます。

3. 足と身体の間はこぶし2つ分くらいは空けます。

4. 身体を徐々に起こして、後ろに着いた手を離します。

5. 両膝が床に着くか確かめます。



あぐらストレッチングアップ



開排ストレッチング2



両膝がピタッと座面に着く方は正常です。

反対に着かないという方は、内転筋が硬くなっている可能性があります。


チェック方法と同じ方法で、両膝を開いてゆっくりと力を抜いてみてください。

内ももが伸ばされるのが分かると思います。


手を着かないと後ろにひっくり返るという方は、最初は後ろに手を着いた姿勢から始めてみてください。


ここでもストレッチングの目安は、合計で3分です。
休憩しながらで良いので、ゆっくりしてください。




今回、ご紹介させていただいたのは、変形性股関節症を予防する保存療法の自主トレーニングの一部です。

変形性股関節症の進行と密接に関係する大殿筋、中殿筋、内転筋のストレッチングについて取り上げました。


他にもそれぞれの方の状態を見極めて、自主トレーニング方法を指導させていただいております。


我々、理学療法士が接する時間は、限られています。

その限られた時間の中で、全てを治すことは困難です。

ご本人が日頃から、予防のために身体のケアをされることが最も効果が高いと考えます。


「これだけやっておけば大丈夫!」という、方法はありませんが、
コツコツと身体のケアを継続されれば変形性股関節症は予防できると信じています。

ちなみに、これらのストレッチングは人工股関節の手術後の患者さんにも有効です。
両膝を開いておけば、真っ直ぐ前に前屈みをしても問題ありません。
不安な方は、ご相談ください。


また、続編をお楽しみに。



理学療法士 生友尚志 


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