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股関節専門 増原クリニック ブログ

からだ(股関節)のサインを逃さない


からだ(股関節)のサインを逃さない


足が丈夫な人、変形性股関節症を患っている人、人工股関節の手術を受けた人、
どんな人でも一生自分のからだと共に生きていかねばなりません。


からだを壊さず上手に付き合っていくには、2つのことが大切になります。

1つ目は、自分のからだ(股関節)の特徴や状態に見合った行動をとることです。

もう1つは、目的とする行動に見合ったからだ(股関節)の状態にしておくことです。


意識的にせよ無意識的にせよ、これらを上手にできている人は、非常にお元気だと感じます。



からだ(股関節)の状態と行動とが見合っていないことで痛みや不調をきたしていることも多々あります。

まず自分の状態を知っておくだけでも、
不安が軽減し、改善へ向けての一歩を踏み出すきっかけになると思いますので、
ぜひからだの声に耳を傾けてみてください。


患者さんの話を聞く





痛みの出かたを把握する


私たち医療者が行う問診では、痛みに関する聞き取りに多くの時間を割きます。

「どのあたりが?」

「いつから?」

「どのように?」

「どんな時に?」

など色々とお話を聞いていくと、

「そういえば〇〇をやった後から痛みが強くなって」

「そういえば毎年この時期になると痛みが出る」

など、「そういえば…」という気づきが痛み出かたを特定する上でのヒントになります。


問診



変形性股関節症に限らず、股関節の状態を良好に保つためには、
不意な痛みを引き起こさないことが大切になります。


以前このブログで記載しましたが、股関節を傷めてしまう原因に関節周りの「炎症」が挙げられます。

痛みは炎症の症状の一つですので、不意な痛みを繰り返すことは股関節の状態の悪化につながってしまいます。


どのような行動パターン、あるいは体勢で痛みが生じるかを把握できれば、
それを避けることで不意な痛みを防ぐことができます。

また、やむをえず痛みが生じてしまっても理由がわかっている方は不安も少なく、焦らずにその後の対応ができます。


まずは普段の生活において、どの行動が自分のからだ(股関節)にとって最も苦痛になっているかを考えてみてください。

自分では大したことはしていないと思っていても、今のからだの状態には負担が大きすぎるということも考えられます。

テレビや雑誌などで「股関節に良い運動」として紹介されている運動であっても、
からだ(股関節)の状況によっては痛みを起こしてしまう場合もあります。

そういう時は思い切って、一旦やめることで痛みの変化を確かめてみるのもよいと思います。

また、どんな行動でも痛みがある(炎症の症状が強い)という方は、
反対にどのような時に痛みが和らぐのかを考えることで痛みの性質を冷静に捉えることができるかもしれません。



ただ、痛みについてよく考えるとかえって不安になることもあります。

「今までは痛くなかったのに…」という焦りもあるでしょう。

あまり早合点はなさらず、あくまで客観的に痛みの出かたを把握することを意識し、
原因や対処方法については診察やリハビリで確かめてからという心持ちでいましょう。


痛みはからだ(股関節)が何らかの危険を訴えるサインですが、
うまく管理ができれば不安も減り行動しやすくなります。

もちろん安易な自己判断や不確かな情報に流されることは禁物です。

医師や理学療法士に相談しながら上手に対応していくことが肝要です。



股関節の痛みの原因を探る



からだの特徴を把握する


問診では痛みだけでなくからだ(股関節)に関する色々な情報が得られます。

「そういえば昔から脚が開きにくかった」

「そういえばよく…と言われる」

など、改めて考えてみると、何かしら気づかれることも多いです。



自分の身体のことはよく知っているようで、案外気づいていないことも多いです。

ですから、姿勢や機能を長持ちさせるためには、自分のからだ(股関節)の特徴を把握しておき、
特定の部位ばかりに負担がかからないようにすることが重要となります。


骨盤の傾きや腰のそり具合、

内また・外また、

開脚の程度、

脚の長さや太さ、

関節の動き方の違い

などの様々な特徴が寝る、座る、立つ、歩くといった立ち居振る舞いに反映されています。


ただのクセかもしれませんが、実は少し気になっていたという方もおられるでしょう。

まずからだを動かして確かめてみてください。


股関節のストレッチ



からだの柔軟性はどうですか?

力は入りやすいですか?

姿勢はどうですか?

すぐには気づきにくいかもしれませんが、
何度も動かしたり鏡で見たりするとわかるようになってきます。


また、股関節周りの不調は左右の差として現れます。

寝た状態で足を上げる時、左右の足の重さに違いはありませんか?

片足で立った時の姿勢やふらつき具合が左右で違いませんか?


リハビリで関節の動きや筋力を確かめる検査をすると、
思ったよりも左右の違いがあることに驚かれる方もおられます。

気づかぬうちにからだは変化しているということです。


そのような場合は、単なるクセではなく無意識的に痛みや負荷をかばっていることが考えられます。


このことは痛みのない方や人工股関節の手術を受けた方にも当てはまります。

機能の不調に気づかないまま行動していると徐々にかばう動作が強調され、
からだの硬さや姿勢の歪みを定着させてしまいます。

定着したものを後から変えるのは困難ですので、
後で取り返しがつかなくなる前に、早めに気づいて対応していくことがやはり大切になります。


姿勢の歪みや運動能力の低下は、
痛みのようにサインがないので何気なく生活していると気づきにくいものです。

普段から体操や運動をすることは単純にからだを鍛えるというだけでなく、
からだの特徴を把握する(更新する)ことにもなりますので、ぜひお勧めします。


また、姿勢を急に変えようとするとかえって痛みが出てしまうこともあります。
先ほど述べたように痛みがある場合は特に注意が必要です。

良し悪しをあまり考えず、まずは確認してみることから始めましょう。



はじめに申しましたが、からだ(股関節)を壊さず長持ちさせるには、
からだの状態と行動とが見合っていることが重要となります。

まずはからだのサインを逃さず状態を把握するよう心がけてみましょう。


皆さんが自分のからだ(股関節)と上手にお付き合いしていただく上での、ヒントになれば幸いです。



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股関節ってどこ?


股関節が痛い


「股関節が痛いんです。」

と、病院に来られます。


でも、よくよくお話を聞いていると、

「うん?そこは股関節ではないですね。」

と、いう場合も少なからずあります。


医学的にいう「股関節」と、
一般的な知識での「股関節」の場所に違いがあることを感じるときがあります。


現在の日本の教育課程の上でカラダの部位、仕組み、病気について細かく学ぶ機会は少ないように思います。

また一度習っても忘れてしまいます。

現代ではネットやテレビ、新聞、雑誌などで見た知識が多く、読み取り方次第で正しい情報とはズレが生じていることがあります。


カラダの後ろの「腰」のあたりを指して、
「ここの股関節が痛いんです。」
と、仰る方もあります。

また、「お尻」のあたりを指して、
「股関節が痛いんです。」
と、仰る方もあります。

股関節の周辺ではあるのですが、
「股関節」ではありません。


「股関節」とは、「関節」ですから、

「骨と骨のつなぎ目」を指します。


具体的には、

「股関節」とは、

「骨盤」と「大腿骨(太ももの骨)」のつなぎ目のことです。


股関節ってどこ?




カラダの奥深い場所にあるので、
「ここ」とカラダの表面から指し示すことは難しいです。

「ここの中のほう」
という表現が正しいのかもしれません。


「股関節」は脚の付け根なので、
膝を抱えてきたときの脚の曲がり口にあります。

脚を曲げたり、開いたり、捻ったりするときの脚の支点になる場所です。


よって、カラダの後ろの「腰」のあたりは「股関節」ではありません。

「お尻」も「股関節」ではなく、
股関節の周りにある「お尻の筋肉」か、
よく腰の神経症状として見られる「坐骨神経」の可能性があります。


我々医療者側も患者さんが「股関節が痛い」と仰るのを聞いただけで、
それ以外見聞きもせず、
「股関節の骨が悪くなっている可能性がある」と思い込むことは注意が必要です。

医療者側と患者側の知識にはズレがある場合があります。

当たり前のことを当たり前と思わずに、
その方を知り、その方に合わせた説明が必要だと考えています。

短い時間でサッサと終わる診療は間違いが起こる危険性があります。

情報が溢れている現代であるからこそ、
その方がお持ちの情報が合っているかどうか確認することが重要となっていることを
実感します。



「股関節が痛い」と患者さんが言っても、

大きく分けると、

本当の「股関節」の「関節部分」の痛みと、

股関節の周りの「筋肉の痛み」と2種類あります。



「筋肉の痛み」であるのに関節内に注射しても治りません。

痛みの場所を正確に確認して、
その痛みの原因を突き止めない限り、
適切な治療方法にはたどり着けないものです。


医療者側と患者さん側の両方の注意が必要です。
お互い気をつけましょう。



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股関節とスポーツ


オリンピックメダル


ブラジルのリオオリンピックでは、毎日白熱した闘いが繰り広げられていますね。
皆さんも応援で寝不足になっておられるのではないでしょうか?


我々の専門とする「股関節」は、スポーツにおいても重要な役割を担います。

皆さんご存知の通り、「股関節」は脚の付け根の関節です。
身体の中で一番大きい関節になります。

近年、スポーツ界では「体幹が大事だ」と、言われることが多くなっていますが、
その体幹のチカラを脚に伝えるためには、股関節周りのチカラが重要になります。


小さい筋肉も合わせると股関節周りには30近くもの筋肉があります。

スポーツのように全身のチカラを最高に使って、できるだけ高いパフォーマンスを求めると、
その30近くある股関節周りの筋肉の1つ1つにまで注目して能力を高める必要があります。


そのような努力の結晶が詰まったオリンピック競技は一言では言い表せない色んな想いが詰まっており、感動の毎日です。


また、一方でスポーツにおいて股関節は重要な役割を担う分、負担が大きくなり怪我をする場合も多いです。

スポーツには怪我が付きもの。
怪我の功名で良い成果を得る場合もありますが、怪我に泣く選手も多いです。

今回のリオオリンピックで4連覇を狙うレスリングの吉田沙保里選手も直前の合宿中に股関節を傷めたようです。
その後改善はしたとのことですが、不安は残ります。


快進撃を続けている男子団体卓球の吉村選手も本日(8月17日)のニュースで股関節の痛みがあることが報じられております。


団体金メダルの大活躍だった体操の田中佑典選手のお姉さんである元体操選手の田中理恵さんも股関節の痛みで悩まされたことが知られています。


大事なことは怪我をしないように毎日身体のコンディショニングを整えること。

怪我の予防のための身体のケアが大切ですね。


さらに、股関節に痛みがある場合は無理に練習を続けないことです。


股関節に痛みがある状態が続くと、股関節の炎症が悪化し、
最悪の場合、股関節の軟骨が減っていくこともあります。

できるだけ早く股関節の痛みを取り除くことが大切です。



健康志向の高まる中、
スポーツなど運動をされる方も多くなっておりますが、
健康のために始めた運動で大怪我をしてしまうと元も子もありません。


時折、「股関節の痛みの原因は運動不足だ」と信じ、
股関節に痛みがあるのに、激しい運動を続けておられる方もありますが、
それは大きな間違いです。

運動不足で股関節が痛くなることはありません。
むしろ、反対に運動量が多すぎて股関節が痛くなる方は大勢見てきました。


スポーツや運動は気分転換にもなり、非常に良いことだと思いますが、
反対に健康を損なわないように、
ご無理をなされないようにしてください。



頑張れ! ニッポン!!

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軟骨って何?



軟骨


図:股関節 僕に任せて! 股関節についてもっと詳しく知りたいと願う方々へから引用



「軟骨」という言葉はよく聞き、一般的な言葉になっていますが、実際にその特徴を詳しく理解されている方は少ないと思います。

そこで今回は、軟骨の基本的な構造や役割について記します。


『軟骨』は、1種類ではありません。
実は、人体には軟骨は3種類あります。

①線維軟骨、②弾性軟骨、③硝子軟骨です。

線維軟骨は、膝の半月板や腰の椎間板などにあります。
比較的硬く、強い圧力にも耐えることができます。

弾性軟骨は、耳の中にある外耳道や耳管・耳介軟骨、喉にある咽頭蓋軟骨と呼ばれる部分などにあります。この軟骨は文字通り弾力に富んでいます。

硝子軟骨は、気管を覆っている気管軟骨や肋骨にある肋軟骨などにあります。
また、関節にある軟骨もこの硝子軟骨です。

つまり、皆さんが心配される股関節の軟骨も硝子軟骨であり、よく『関節軟骨』と呼ばれます。


股関節においては、大腿骨(太ももの骨)と臼蓋(骨盤側の骨)のどちらにも関節軟骨は存在しており、
厚さは場所によっても異なりますが、おおよそ0.8-5mmです。(上の図の黄色い部分)



この関節軟骨の見た目は光沢がありつるつるしていて、
その中身は約70%が水分、約20%がコラーゲン、約10%はプロテオグリカンという糖とタンパク質の複合体からできています。

よって、硬いというよりは軟骨という名の通り、水分を多く含んだゲル状の柔らかい骨です。
思ったより水分が多いですよね。



関節軟骨の役割としては大きく分けて2つあります。

1つめは『潤滑』という役割です。
これは骨同士に摩擦が生じてしまいわないように、関節をスムーズに動かす役割のことです。

そして、2つめは『荷重緩衝』という役割です。
これは関節軟骨が骨と骨とのクッションの役目を果たし、骨同士がぶつかって潰れないように加わった力を分散させ、関節にかかる力を和らげる役割のことです。

手を動かしたり、足を動かしたり、関節を動かす時にこの軟骨は非常に重要な役割を持っているわけです。



その大事な関節軟骨が減ってしまう病気が、変形性股関節症です。


この関節軟骨には血管も神経もありません。

よって、関節軟骨が擦り減ったり、削られても軟骨自体が痛いと感じることはありません。
股関節が痛くても、この軟骨が痛いわけではないのですね。


骨には血管や神経が通っています。
そのため骨折すると痛みを感じます。
骨折しても後から徐々に修復します。

軟骨は血管がないので、周りの関節液を介して栄養を受け取ります。
骨とは違い関節軟骨は再生、修復する能力を持っていません。

一旦、傷がついたり、減ってしまったりすると元の状態に戻ることはありません。


しかし、「軟骨が増えた」という言葉を聞いたことがある方がいるかもしれません。
それは間違いではないです。

実際に、レントゲン画像上で確認しても軟骨が増えているように見えることがあります。
でも、それは関節軟骨である硝子軟骨ではなく、線維軟骨ができたためです。

喜びは束の間、残念ながらこの線維軟骨は弱いものです。
また負担がかかれば壊れてしまいやすいです。

また、このあたりの詳しいお話は次回にとっておくことにします。

今回は軟骨の基礎の分までのお話でした。




増原クリニック 理学療法士 奥埜 尭人



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定期検診ノススメ

診察室


理学療法士の田篭です。


私ごとですが、先日歯医者で半年に一度の定期検診を受けてきました。

結果は、、、どこにも虫歯はなく問題なし(^∇^)!
ということで、溜まった歯石を除去してもらい、ブラッシングの指導を受けて終わりました。
以前は定期的に歯医者に行くことはなかった私ですが、数年前にたくさんの治療箇所が見つかって以来、半年に一度の検診を欠かさず行くようにしています。
きちんと検診に行くことで普段のケアにも以前より気をつかうようになり、そういう意味でも定期検診は大切だなと感じました。


股関節の場合も同じでは?

暖かくなり、股関節の痛みがマシになったという患者様の声を耳にします。
痛みが楽になることはうれしいことですが、時々「また痛くなったら来ます」と言われることがあります。
痛みがとれると治ったと思いがちですが、本当にそうでしょうか?

変形性股関節症の場合、痛みが楽になっても関節の変形の状態が変わるわけではなく、炎症の症状がおさまったというだけで、脚の機能も改善したとは言い切れません。
自分では大丈夫だと思っていても、そもそも痛みがどうして起きたのかがはっきりしないままでは、またいつ痛くなるかわかりませんし、次に痛くなって受診したときには思ったよりも状態が悪くなっているかもしれません。
一度股関節症との診断を受けた方は、やはり定期的に医師や理学療法士の専門的なチェック・指導を受けておいた方がよいと思います。
もし、何ともなかったとしても、ご自身の股関節の現状を確認することで安心して普段の生活を過ごせるのではないでしょうか。


どうせ股関節症が進行していくのなら定期的に受診しても同じでしょ!とお考えのかたもおられるかもしれません。
多くの人はなかなかそう開き直ることはできないでしょうが…。

同じではないと思います。
変形性股関節症の症状は人によって異なり、特に痛みや動きにくさがある中での過ごし方や対処法を身につけるのには自己判断や知人・友人のあやふやな情報を鵜呑みにするのは危険です。
変形性股関節症の保存療法(手術をしない治療法)においては、医療者による教育が症状緩和に対して有効であるとされています。
正しい情報を得ながらご自身の股関節の状態を把握し、管理していきましょう!



すでに人工股関節の手術を受けられた方においても然りです。
院長の増原が自著で述べていますが、きちんと定期検診を受けておくことがご自身の人工股関節と長くお付き合いする上で非常に大切になります(→詳しく知りたいかたはコチラをどうぞ)。


他の病気でも言えることかもしれませんが、「悪くなってから行くのが病院」という考えは、変形性股関節症や人工股関節全置換術後においては当てはまらないと思います。
定期的にチェックしてもらうことで、ご自身のからだを管理するというお気持ちで検診を利用されることをオススメします。


さしずめ股関節の診察が歯科検診と同じだとすれば、日々のストレッチングや運動は食後の歯ブラシといったところでしょうか。
みなさん日頃のからだ磨きも忘れずに!

ブラッシング法は我々がご指導いたしますので。


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