股関節専門 増原クリニック ブログ

階段の上がり降りとは


階段イラスト


「階段の上がり降りがつらい」という人は多いのではないでしょうか?

エスカレーターやエレベーターにより便利にはなっているとは言えども、
やはり日常の生活では階段を上がったり降りたりする機会は少なからずあります。

股関節の痛みを抱える人にとって階段はつらいものです。
なんとか上がり降りしやすい方法はないか…。


今回は、階段の上がり降りについて考えてみたいと思います。


歩行と階段の違い

歩行は前に進みます。
動くときの勢い(慣性)もあるため、それほど筋肉を働かさなくても前に進むことができます。

それに対して、階段は上下方向に移動します。
階段を上がる場合は、しっかり体を支えて上に引き(押し)上げるための脚の力が必要となります。

一方、降りる場合には歩くときよりも勢いが生じやすく、体が下がる(落ちる)のを脚で受け止める力と適切な速度を保つという制御能力が必要となります。


このように、階段の上がり降りでは、上下方向に移動する分、
歩行に比べて両脚の力が必要となります。
当たり前のことですね。


では、階段の上がり降りの動作についてもう少し詳しく見ていきます。


階段を上がる

階段を上がる動作はまず足を挙げることから始まります。
変形性股関節症で股関節を曲げにくい人や、足を持ち上げようと力を入れると痛い人にとって、この動作はつらいものです。

階段を上がるのに必要な股関節を曲げる角度は60~70°程度(写真①)と言われています。
股関節症を患い、変形が進行したような方は、
この足を1段上に挙げることだけでも大変です。

よく反対の踵を挙げて、足を挙げる高さを減らしておられる方を見受けます。



階段①


次に、上段に足を乗せ体重を支えて片足で踏ん張る時が股関節に大きく負荷がかかる瞬間です(写真②)。
この瞬間が痛いと仰る方も多いです。

股関節や膝を曲げた状態で体重を支え、なおかつ上に持ち上げようとお尻の筋肉や太ももの筋肉が大きく働くため、関節に加わる負担も大きくなります。

段差が高くなるほどに股関節がより曲がった状態で支えなければならず、まわりの筋肉も頑張らなければなりません。


階段②


その後、片足で支えたまま反対の足を持ち上げ上段に乗せます(写真③)。

その際、脚を伸ばして支える力と後ろに伸びる柔軟性が必要となります。

変形が進み関節の動きがかなり制限されている人の中には、反対の足を上げにくく状態の悪い方の足から階段を上がる人もおられます。


階段③
階段を降りる

階段を降りる際は、体の重みにより生まれる勢いを利用しながら降りていきますので、脚はこの勢いをうまく制御しなければなりません。

まずは、下段への着地です(写真④)。

階段は平地を歩くときのように踵からはではなく、つま先から着きます。
この時、ふくらはぎや太ももの筋肉が中心になって働き、衝撃を和らげます。
といっても「ドスン、ドスン」という感じで次々と衝撃が加わるため、脚が弱っている人にとっては支えるのに不安を伴う動作になります。



階段④


そして、案外多くの人が負担のかかっていることに気づいていないのが、反対の足を下段に降ろす動作です(写真⑤)。

階段昇降で最も膝に負荷がかかるのが、この反対の足を降ろす時です。

そのため、股関節だけでなく膝も痛いという人は特に注意が必要になります。

また、この動作で股関節の圧がかなり高まるとの報告もあります。
股関節の曲がりは比較的少ないですが、負担がないというわけではありません。



階段⑤

このように階段の上がり降りといっても脚の負担になるポイントがいくつかあり、負荷のかかる部位やそれに対する筋肉の働きも変わります。

ですから、股関節や体の状態によってどの動作・瞬間がつらいのかも異なります。

普段の生活スタイルも踏まえ、一人ひとり個別に対処していく必要があると思います。

お悩みの方はリハビリまでご相談ください。
次回は、股関節に負担のかからない階段の上がり降りの方法を解説いたします。


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